フィリピンでの合同軍事演習(サラクニブ26とバリカタン26)、および、それらへの自衛隊の大規模派兵を弾劾し、即時中止を求める抗議声明
多国間共同訓練バリカタン26(タガログ語で「肩を並べて」の意)が4月20日にフィリピンで始まった。5月8日まで19日間行われる予定だ。参加するのは、主催する米国(1万人)とフィリピンに加え、日本・オーストラリア・ニュージーランド・カナダ・フランスの七か国、計1万7000人だ。加えて、17カ国の軍隊がオブザーバーで参加している。
米軍は沖縄・オーストラリア・米国本土から陸海空軍と海兵隊および沿岸警備隊が参加する。星条旗新聞によれば、①海兵隊が、第一海兵遠征軍(米カリフォルニア州)、第一海兵師団(同)、第三海兵航空団(同)、第三海兵連隊(ハワイ)、第三海兵兵站群(沖縄・キャンプキンザー)、海兵隊ローテーション部隊-ダーウィン(豪)、②海軍が、ドック型揚陸艦アシュランド、第三遠征打撃群(米カリフォルニア州)、③陸軍が、第25歩兵師団(ハワイ)、第1マルチドメイン・タスク・フォース(米ワシントン州)、④空軍が、第317戦術空輸航空団(米テキサス州)と戦闘機群、それに沿岸警備隊巡視艦ミジェットだ。
自衛隊は、陸海空およびサイバー部隊に加えて、統合・陸上・航空の各司令部も参加する。「台湾有事」初動態勢の核心部分だ。統合幕僚監部によれば、「統合幕僚監部、陸上幕僚監部、陸上総隊、北部方面隊、陸上自衛隊富士学校、陸上自衛隊高射学校、陸上自衛隊補給本部、自衛艦隊、情報作戦集団、航空幕僚監部、航空総隊、航空支援集団、航空教育集団、航空システム通信隊、入間病院、統合作戦司令部及び自衛隊サイバー防衛隊の人員約1400名並びに護衛艦「いせ」、「いかづち」、輸送艦「しもきた」、輸送機C-130H、救難飛行艇US-2、88式地対艦誘導弾等」を派兵する。海上では米比加日が戦艦を動員して艦上着陸、砲撃、対潜水艦攻撃、探知・救助などの合同訓練を実施する。
自衛隊はバリカタン演習に2012年からオブザーバー参加してきたが、今回は昨年発効した日比円滑化協定(地位協定にあたる)を受けて正式参加し、実に1400人を派兵する。これは日本の支配層にとっては、第二次世界大戦での敗北によって戦勝国から課せられた軍事的制約を突破し、膨大な権益が存在するアジアにおいて、再び自国の軍隊を恒常的に展開させていく道を切り開くものであり、自衛隊のアジア派兵体制の歴史的な転換点だ。私たちは、日本帝国主義による侵略戦争、占領、植民地支配の被害者への公式謝罪と国家賠償を行わないまま、日本政府が自国の軍隊を再びアジアへと大規模に派兵することに断固反対し、これと闘う。
バリカタン26への自衛隊の派兵の目的は、「自衛隊の領域横断作戦に係る統合運用能力の維持・向上を図るとともに、力による一方的な現状変更を許容しない安全保障環境の創出に寄与する」(同上)こと、とされている。「力による一方的な現状変更」とは、中国政府による台湾武力統一を指している。「第一列島線」に沿った軍事態勢を強化し、それを阻止するための訓練がバリカタンというわけだ。自衛隊のバリカタン参加は中国侵略戦争の準備の一環であり、絶対に許されない。
海自護衛艦「いかづち」は台湾海峡を通過してフィリピンへ向かった。海上自衛隊艦船の台湾海峡通過は2024年以来四回目だが、その日にちが、日本が台湾を略奪した日清戦争の下関条約が締結された4月17日だった。血塗られた侵略と植民地支配の歴史を微塵も反省することのないまま、台湾海峡で軍事的な「状況」が発生すれば武力行使する、中国を再び膺懲する、という日本政府のあからさまな挑発行為だ。
中国政府は「この行動は日中関係の政治的基盤を著しく損なうものであり、中国の主権と安全を脅かしている。
中国は断固として反対し、日本に対して強く抗議する」と批判した。また、台湾の民衆団体は共同の弾劾声明を出して次のように非難している。「いかなる外部の軍事力による台湾海峡への介入も拒否し、外部勢力が内政に干渉するための道具となることを拒絶し、地域の平和を守り、両岸の同胞が共有する平和な故郷を守り抜く。/歴史は忘れてはならない、主権は曖昧にしてはならない、正義は先送りしてはならない!/台湾海峡への外部の軍事介入に反対!/日本の横暴な介入に抗議し、民進党政権の弱腰な姿勢とその無策を強く非難する!」
バリカタン26に先立ち、4月6日~17日には、フィリピンで米比陸軍合同演習サラクニブ26(イロカノ語で「盾」)が7000名の兵士により行われ、日本(陸自420人)、オーストラリア(100人)、ニュージーランド(46人)も参加した。ジャングルの戦場、航空、実弾演習、島嶼防衛に関する戦闘能力の向上が目的、と報道されている。サラクニブ26はバリカタン26をはさんで5月~6月に再び行われる予定だ。
日本軍は先のアジア太平洋侵略戦争でフィリピンを占領し、10万人を殺害したマニラ虐殺をはじめ、フィリピン民衆を大量虐殺した。その反省も謝罪もないまま、フィリピンに再び上陸し、正式に軍事演習を行い始めたのだ。これは、「フィリピンに対する中国の武力行使への対抗」という名目の下で中国侵略戦争を準備するとともに、フィリピン国軍による民衆運動弾圧に自衛隊が荷担・関与する道を開くことになるだろう。
私たちは、中国侵略とフィリピン侵略という性格をもつサラクニブとバリカタンへの自衛隊の参加を強く弾劾する。そして、中国・フィリピン-アジア人民と連帯して、帝国主義の侵略戦争に反対し、これを阻止する闘いにこれからも起ち上がる。
日本政府は「台湾有事」=中国侵略戦争の準備、フィリピン内政への軍事介入策動を直ちに中止しろ!
自衛隊はサクラニブ26とバリカタン26への参加を直ちにやめて帰還しろ! 共に闘おう。
2026年5月1日
アジア共同行動日本連絡会議