日米のアジア支配に反対し、アジア民衆の連帯を推進する

日本連絡会議ニュース

       第1号

    2008年1月8日

    毎週火曜日発行

     

 

 

 

 

 

全国連絡ニュース(2007年12月29日発行)

 

12月16日、アジア共同行動日本連の全国会議が開催されました。以下の文書は、全国会議で討議、確認された2007年10月岩国国際集会の総括です。

10月岩国国際集会の概要と総括

(1)10月岩国国際集会の概要

①参加は、以下の通りでした。海外から、フィリピンバヤンナショナル、滞日バヤン、米国アンサー、台湾労働人権協会、AWC韓国委員会が参加し、また学生の独自招請でアナックバヤン、ピョントンサが参加しました。さらに、日本に留学しているタイ貧民連合のメンバーから参加がありました。全国からも、北海道から沖縄まで、主に首都圏、関西、西日本、九州の各地からの参加を中心に、全体で200名近くの参加がありました。また、労働者交流集会開催の努力によって、国労闘争団、郵政ユニオンや関西生コン支部、全港湾などからの労働運動からの参加者が、新たに、あるいは昨年(06年)を上回る形で参加されました。岩国市民も「岩国住民投票の成果を活かす会」から5名の方々が参加しました。

②27日は、午後3時から、全体フィールドワーク(岩国市民の説明)、その後、労働者交流集会(約90名、韓国が参加)、市民交流企画(約40名、岩国から二名参加、フィリピン、台湾、タイなど参加)が開催され、また、学生は午前10時半から独自のフィールドワーク、その後、まる一日をかけた学生企画(約50名、米国、韓国、フィリピンが参加、岩国から二名参加)を開催しました。28日は、午前に海外報告集会、記者会見、午後から、総決起集会を開催し、その後、岩国市民への激励デモ、基地前での抗議行動(約180名参加)が行われました。全体については、報告集が発行されます。またビデオなどもあります。学生運動も独自に報告集を発行するそうです。詳細は、これらを参照ください。

(2)政治上の総括

①政治上の総括は、第一に、昨年に続き、米軍再編-新日米軍事同盟に反対する国際的な反戦・反基地共同闘争を前進させたことです。

  昨年(06年)の岩国国際集会は、米軍再編と対決するアジア太平洋地域の国際反戦反基地共同闘争を新たにスタートさせたたたかいでした。これをさらに継続し発展させるものとして07年岩国国際集会は成功しました。韓国、フィリピン、台湾、米国との、反戦反基地闘争のたたかう国際的団結は一層強化されました。アジアからの米軍総撤収、米軍再編反対、日米軍事同盟反対を共通の課題に、たたかう岩国市民に連帯する岩国アピールを国際共同声明として発したこと、また、直前に発生した岩国基地の米兵による集団レイプ事件を弾劾する日本連声明を発したこと、そして、これらの内容をもって、岩国米軍基地への抗議闘争を国際的に共にたたかったこと、これらの意義をしっかりと確認する必要があります。米軍基地に反対するさまざまな国際的会議などの取組みはありますが、私たちの特徴は、あくまで米軍基地に対する直接の大衆闘争をやりぬく国際的な共同闘争だということです。また、小泉以来の新自由主義路線がもたらした「格差社会」という貧富の差の拡大と固定化・構造化による労働者による政府批判の増大、これによってもたらされた安倍政権の崩壊と福田政権の成立という流動的な政治情勢のもとで、米軍再編-日米軍事同盟の再編強化と戦争策動が一貫して推し進められていくことに断固としてたたかいを組織したという面で意義あるものでした。

②第二に、アジアと連帯した、沖縄、岩国、神奈川、さらに築城も含めた反基地共同闘争の前進に寄与しえたことです。

  米軍再編-新日米軍事同盟化は、朝鮮半島や中国を睨みつつ、アジア全域における反帝国主義闘争に対応した戦争体制の構築です。この米軍再編で最も重視されているのが、沖縄、岩国、神奈川です。また、これらの住民のたたかいが米軍再編をめぐる攻防を大きく左右する位置をもつなかで、沖縄、岩国、神奈川の反戦反基地共同闘争は決定的です。06年に続いて、沖縄、岩国、神奈川を貫く共同闘争を継続・発展させたことの意義はしっかりと確認する必要があります。加えて、築城の仲間も含めたたたかいとして発展させることができたことです。そして、沖縄、築城、岩国、神奈川を貫く米軍再編に反対する共同闘争が、アジア諸国地域と結びついたものとして引き続き発展することの意義は大きいし、私たちは、こうしたアジア人民と結合した反戦反基地闘争の発展にこそ貢献していきましょう。

③第三に、岩国市民への連帯を全国で前進させたことです。10月岩国国際集会にむけて、全国各地で岩国問題を訴える取組みが進められました。西山監督の講演と消えた鎮守の森上映会が、東京と大坂で開催され(東京は反戦闘争実主催)、京都では、田村順玄さんの講演会が開催されています。また、06年の岩国国際集会で開催した基地と女性分科会の流れは、9月末に岩国現地で岩国女性との交流会を開催するなど、岩国市民との結びつきを進めました。学生は、独自に一貫して全国で岩国署名を推進してきました。また、27日には、日本連としても市民交流企画を開催し連帯を深めました。山口・九州の日々のたたかいがあって、こうした全国からの岩国市民連帯が発展したのであり、基地大強化に反対する岩国市民を孤立させずに防衛するたたかいの一翼を担うかたちでより全国で前進させたと言えます。

④第四に、労働運動、学生運動、基地に反対する女性運動などの、それぞれの反戦闘争を前進させるものとして成功したことです。労働者交流集会、学生プレ企画、また基地に反対する女性企画は9月末に岩国で女性交流企画を実質的なプレ企画として開催しています。それぞれの企画は、それぞれの主催当事者によってなされていると思います。日本連としては、こうしたそれぞれのたたかいが、アジア・太平洋諸国地域人民と実践的に連帯した反戦闘争をより前進させていくことに引き続き寄与していかねばなりません。

⑤以上の意義をしっかりと押さえたうえで、反省すべきこともあります。直前に発生した米兵による集団レイプ事件に対して、日本連として抗議声明を作成し、これを参加者に配布することで周知徹底しようとしたのですが、参加者からは印象が薄かったという声や感想も多く上がっています。プレ企画を開催した学生もこの件で独自の抗議声明を発表していましたし、これらも含めて、より全体化することが結果的に見れば不徹底となったこともいなめません。集会で、声明を読み上げたほうが結果的にはよかったと言えます。基地犯罪、特に女性に対するそれは日本連全体のたたかいへと意識的に確立していくことが不可欠なたたかいです。そうした面からの反省です。

(3)組織上の総括

①第一に、政治上の総括でふれましたが、組織的な面から言うと、労働運動、学生運動、基地に反対する女性運動など、諸階級階層、被差別大衆のたたかいによって進められるアジア共同行動への転換をより推し進める新たな一歩をふみだしたことです。

  アジア共同行動の運動を、労働者階級のたたかいを基軸に、学生運動、女性解放運動、被爆者解放運動、障害者解放運動など、諸階級階層、被差別大衆自身のたたかいによって作られ推進するものへと変革していくより大きな一歩を築いたことです。アジア共同行動の組織をこうしたものに徹底して変革していく方向を引き続き推し進めましょう。

②第二に、アジア共同行動山口・九州の奮闘を軸に、関西、首都圏など、それぞれの地域から、また、労働運動、学生運動、女性運動などのそれぞれの運動から、岩国国際集会にむけた主体的な組織化をもって成功したと言うことです。アジア共同行動の全国総決起闘争として成功したと言うことです。但し、岩国国際集会の概要を夏合宿で決定し、実質二ヶ月間で全国的な決起の準備に入ったわけですが、各運動からは、もっと前から具体的準備にはいるべきであったという意見もあります。日本連の全国総決起闘争をあらゆる面から主体的に準備すると言う面では、今後の教訓にしたいと思います。

③第三に、こうした各方面からの主体的決起の成功とあわせて、デモの工夫や歌など、それぞれの持ち味を活かした創造的な運動が生まれだしたことです。文化面でのたたかいも重視しなければなりません。文化活動を発展させるAWCメンバーによる活動もより発展させていきたいと思います。また、学生運動が見せている若い人々の創造的なエネルギーは、すべての海外参加者から高い評価を受けています。世代をつかむような若者運動(青年運動、学生運動)の発展を全体で応援していきましょう。さらに、今回は、岩国市民への激励デモと基地前では抗議行動に切り替えるというかたちで意識的に望みました。このように、目的をはっきりさせ、市民への激励は激励として、基地前での抗議行動は抗議行動として行われたことは大事なことだと思います。そして、基地前での米国参加者を先頭とした抗議行動やレイプ犯に抗議する学生運動の戦闘的な抗議など、敵に対して、戦闘的に「やるときはやる」というたたかいもより前進させましょう。

(4)今後について

①第一に、引き続き岩国市民のたたかいに全国各地から連帯することです。各地で岩国問題を訴えるさまざまな取組みを継続していこう。米兵による集団レイプ事件への抗議は、「軍事基地と女性ネット」と協力しながら広島地検に抗議を集中しました。その後も、学生は、街頭でこの問題を訴え大使館や領事館に直接抗議行動を行っています。なお、岩国へのカンパの場合は、日本連としては「岩国住民投票の成果を活かす会」へ集中するかたちにします。また、12月1日には岩国市民集会が1万1千人の結集で取り組まれました。今後も、岩国市民への連帯を進めながら、来年秋には再々度、岩国現地に結集する闘争を作り上げたいと思います。

②第二に、米軍再編-新日米軍事同盟に対するたたかいを、沖縄、岩国、築城、神奈川などを軸に全国で更に継続していくことです。

 特に、沖縄の高江、辺野古でのたたかいに連帯したたたかいを各地で継続していこう。現地支援を継続しよう。そして、5・15沖縄闘争には全国から沖縄に結集しましょう。

  神奈川でのたたかいにも連帯を継続しよう。そして、8月19日の原子力空母ワシントンの横須賀母港化に反対して、全国から結集するたたかいを作りましょう。原子力空母の横須賀母港化は、米軍再編と完全に連動した動きです。反戦反基地闘争として全国から結集しよう。なお、この闘争と合わせて、例年の日本連夏期反戦合宿を横須賀で開催したいと思います。8月16日(土)17日(日)フィールドワーク、学習会、闘争の三点セットで合宿を開催します。その後、19日母港化には海上抗議行動も検討します。

 

 

 

 

 

 

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