日米のアジア支配に反対し、アジア民衆の連帯を推進する

日本連絡会議ニュース

 

 

 

 

 

韓米合同軍事演習キー・リゾルブ/フォール・イーグルを直ちに中断せよ!
自衛隊は韓米合同軍事演習への参加をやめろ!
日米韓は朝鮮半島での軍事協力推進を全面中断せよ!

2月28日から大規模米韓合同軍事演習が韓国全土で展開されている。戦時増援演習キー・リゾルブは3月10日まで、野外機動演習フォール・イーグルは4月30日まで行われるという。米原子力空母をはじめ米軍1万2800名と韓国軍20万人以上が参加する両演習は、朝鮮民主主義人民共和国(以下、共和国)の体制転覆と共和国軍の壊滅を目的とした「作戦計画5027」「作戦計画5029」に基づいて共和国への直接侵攻・全面戦争から局地戦、共和国の急変事態まで朝鮮半島で起こりうるあらゆるシナリオを想定して行われる。その内容は、紛争地へもっとも迅速に投入される米軍ストライカー旅団と大量破壊兵器除去部隊などの攻撃戦力を中心に、ピョンヤン制圧・占領のための大規模上陸作戦、渡河訓練、市街戦訓練、加えて共和国の核施設と核兵器の奪取までを含んでいる。どこから見ても「防御演習」などではありえない文字通り侵略戦争の実戦演習である。

そのような演習が実に二ヶ月以上にわたって、黄海および韓国全土で行われる。米国がいかに口先で対話を語っても、このような大規模軍事演習そのものが、共和国に対する戦争恫喝であり、挑発行為にほかならない。ロバート・ウィラード米太平洋司令官は、「数ヶ月以内に北の挑発に直面するおそれがある」などと公言しているが、その原因は自らが作り出しているのだ。

このような米軍の朝鮮半島での軍事行動を支えてきたのは他ならぬ在沖・在日米軍と日本政府である。同演習では沖縄から増援部隊が送り込まれ、フォール・イーグル野外機動演習では毎回、米軍岩国基地からも戦闘機が飛び立ち38度戦付近まで展開している。昨11月23日延坪島砲撃事件発生直後に米原子力空母ジョージ・ワシントンが横須賀から黄海へと向い11月28日から12月1日まで米韓合同軍事演習が、12月3日から10日まで日米合同軍事演習が連続して強行され、朝鮮半島と東アジアの軍事的緊張を極限にまで高めた。

米韓両政府は例年3月に行う同演習を2月末に繰り上げた上で同時期に南北軍事会談の開催を提起することで南北軍事会談予備会談を決裂させ、あたかも共和国側が一方的に対話を拒否しているかのように描き出そうとしてきた。しかし朝鮮戦争60周年の昨年一年間だけを見ても朝鮮半島で戦争挑発を繰り返してきたのは米韓両政府である。昨年の韓国海軍哨戒艦沈没事件はまさにこのキー・リゾルブ/フォール・イーグル演習期間中、韓米連合軍が合同して展開する最中に起こったものであったにも関わらず、米軍は一切の真相究明責任を果たそうとしないどころか、韓国政府はその責任を一方的に共和国に押し付け、米・日・韓はこれを口実として軍事同盟関係を一挙に強化しようとしてきた。

自ら作り出した軍事的緊張状態を口実に、日米韓の軍事協力がこれまでになく加速されている。昨年7月の韓米合同軍事演習には自衛隊が初のオブザーバー参加を行い、延坪島事件直後の日米合同軍事演習には韓国軍が初めてオブザーバー参加している。今回の韓米合同軍事演習に先立って横須賀米海軍基地を拠点とする米第7艦隊スコット・バンバスカーク司令官は、今後の韓米合同軍事演習においては、NLL(北方限界線)によって一触即発の状態にある黄海への米空母の派遣を継続すると強調するとともに、昨年に続き韓米合同軍事演習への自衛隊参加、および日米合同軍事演習への韓国軍参加を強く要請し、海上自衛隊側は調整がつけば今回の演習にも幹部のオブザーバー派遣を行うと明言した。米軍の演習参加規模は徐々に縮小している一方で、日韓間の軍事協力は拡大しており、同司令官は日米韓による合同軍事演習まで公然と要求している。

朝鮮半島への自衛隊の派兵は菅民主党政権自身の熱望でもある。延坪島砲撃事件以降、民主党政権は、朝鮮半島有事の邦人救出を口実に自衛隊機派遣を持ち出し、韓国との間で「物品およびサービス相互提供協定(ACSA)」や「韓日情報保護包括協定(GSOMIA)」の協議を推進している。これは日韓軍事同盟そのものだ。また韓国ハンナラ党を中心に戦術核兵器の韓国配備要求が高まっており米ホワイトハウスのセイモア軍縮・大量破壊兵器担当調整官が「韓国が米国に戦術核兵器の再配置を公式要求すれば、米国はこれに応じる」と述べるという危険千万な話まで出てきている。これら日米韓の実質的な軍事協力の加速化を通じて、朝鮮半島での大小の戦争危機が恒常的に進行している。

朝鮮半島平和のための対話を再開するには、何よりもまず侵略的な韓米合同軍事演習を直ちに中止すべきである。また軍事協力の名の下で恒常的に推進されている米日韓の危険な軍事行動は朝鮮半島のみならずアジアの平和を脅かすものであり、全面的に中断することを強く求める。私たちは新たな朝鮮戦争を絶対に阻止する。

2011年3月4日

アジア共同行動日本連絡会議

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