アジア共同行動・日本連絡会議

日米のアジア支配に反対し、アジア民衆の連帯を推進する

日本連絡会議ニュース

 

 

 

8・6広島青空集会が成功。韓国にて日韓共同行動を展開!


68年めの8月6日、広島原爆ドーム前で今年も「8・6広島青空式典」が開催された。呼びかけは、被爆二世の会、全国一般全国協山口連帯労働組合、あすじゃ山口、アジア共同行動、やまぐち障害者解放センター、憲法を活かす市民の会・やまぐち、SYN、山口大学ユネスコクラブ である。約50名が全国から結集した。

平和公園入り口では、在特会など排外主義集団がヘイト・スピーチをくりひろげている。許せない。これへの対抗アクションが行われ、「戦争被害者を侮辱するな!」、「日本の恥!」などの反排外主義のプラカードをかかげ、対峙する緊迫した状況もあった。おおくの人びとが8・6広島青空式典が運営する反戦反核反基地の写真パネルを注目する。被爆二世の会の署名にも人びとが協力していった。

今年の8・6広島青空式典は、韓国での反戦反核の共同行動が連携したという画期的なものとなった。

集会では、若い青年が司会を運営。被爆者・被爆二世でこの間亡くなった方々へ、黙祷をささげる。基調が被爆二世の会から報告され、福山から来た「あじあんさん」が平和の歌を披露。韓国からの連帯メッセージを報告された。続いて、活憲やまぐち、AWC日本連、やまぐち障害者解放センター、岩国ユースアクション・イン関西、連帯労組やまぐち、など団体個人発言。閉会の言葉では、活憲やまぐちの方が「アメリカ帝国主義打倒」の内容を話して、まとめる。シュプレヒコールは、SYNから行われた。

集会は、若い人が中心で運営し、また発言も安倍政権への怒りに満ちていた。日韓共同展開という点でも意義は、大きい。成功であった。

以下、資料を引用する。


(スローガン)

  1. 全ての被爆者・被爆二世・被爆三世の国家補償を勝ち取ろう!
  2. 日本政府はアジアの戦争被害者に謝罪と補償を行え!
  3. 日本の核武装を許さず、世界中から核を廃絶しよう!
  4. 上関原発建設に反対しよう!
  5. 日本政府は原発被曝者に国家補償を行え!
  6. 全ての原発の再稼働を許さず、廃炉にしよう!
  7. 原発の新設、増設、輸出を阻止しよう!
  8. 米軍再編に反対し、全ての米軍基地をアジアから撤去しよう!
  9. 平和憲法と基本的人権を守る為に憲法改悪を阻止しよう!

はじめに-

一昨年3月11日の東日本大震災による東京電力福島第一原発の事故によって、多くの被曝者が作られている。震災と原発事故によって多くの民衆の生存権、労働権、基本的人権が奪われているのに、日本政府はいまだ、米軍再編をおしすすめ、原子力発電に固執している。私たちは、「核と人類は共存できない」ということをもっと社会に発信し、原発も軍事基地も核兵器も無い世界の実現を目指す。特に、本年の8 ・ 6広島青空式典は韓国の平和団体との共同行動の取り組みとなる。

■■被爆者問題

在外被爆者-被爆者援護法の完全適用を

在外被爆者は「どこに住んでも被爆者」と日本に住む被爆者と同じ援護を求め闘っている。日本国内では被爆者援護法に基づき医療費が支給され、本人の窓口負担は原則生じない。しかし、日本政府は在外被爆者に対し、医療保険制度が国ごとに異なるなどを理由に医療費助成の上限を設けている。こうした差別的な対応はあってはならない。在外横爆者による医療費をめぐる訴訟を支持しよう。

原爆の人体への影蕾の過小評価を許さない

被爆者が「原爆症認定却下取消訴訟」に立ち上がった結果、国の却下処分を覆す判決が相次いだ。日本政府は08年度と09年に基準を緩和したというが、その後も認定却下の件数が増えている。そのため新たな提訴も起きている。現在、国は検討会を開いている。

長崎原爆に遭いながら制度上は被爆者と認められていない「被爆体験者」が、国や県、長崎市に被爆者健康手帳の交付などを求めている。91年に岡島俊三・長崎大名誉教授らが長崎市などの依頼で作成した「長崎原爆残留放射能プルトニウム調査報告書」は、原告がいた地域の最大被ばく線量が25ミリシーベルト相当と推定している。昨年、長崎地裁は第一陣原告団に対し敗訴という不当判決を下した。原告団は控訴し、現在、福岡高裁にて闘われている。

広島原爆の投下後に降った「黒い雨」について、日本政府が指定している区域外でも多くの人が「雨が降り、健康被害を受けた」と訴えている。広島県、広島市も区域を約6倍に拡大するよう要望した。しかし、厚生労働省は昨年7月、拡大を見送り、支援事業で誤魔化そうとしている。

この3点に貫かれているのは被爆の過小評価である。これは福島第一原発事故被害者にも繋がる問題であり、見過ごすことはできない。

■■被爆二世問題

被爆二世とは、両親又はどちらかが被爆者で1946年6月1日(広島被爆)か6月4日(長崎被爆)以降に生まれた人のことを言う。1994年に成立した「原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律」の附帯決議に「5被爆者とその子及び孫に対する影響についての諦査・研究及びその対策について十分配慮し、二世の健康診断については、継続して行なうとともに、その置かれている立場を理解して一層充実を図ること。」とあるが、被爆二世に対し国が行っているのは年一回の健康診断(単年度措置)のみ。しかも各自治体にまかせているため、自治体によっては二世が健診を希望しても「予算の都合」という理由で健診ができなくなる場合がある。しかも、この健康診断には被爆二世の最大の不安要素であるガン検診は含まれていない。ましてや被爆三世については健康診断すら行っていない。

現在、西日本を中心に各県に新たな被爆二世の会ができつつある。全国被爆二世団体連絡協議会や韓国被爆二世の会など様々な被爆二世の会と連携しながら被爆二世への被爆者援護法の適用を求めていこう。

■■原発問題

東京電力福島第一原発事故から、もう2年。昨年5月にすべての原発が停止したが、7月に関西電力大飯原発が再稼動された。そして海外へ日本製原発の売り込みをする安倍政権誕生という追い風を受け、さらなる再稼動申請がなされている。しかし、原発事故に関しては3月に安倍首相自身が野田首相(当時)の事故収束宣言を撤回したように、長期的課題は、なんら解決されていない。現状は、原子炉内部がどうなっているか全くわからず、暴走を防ぐため水で冷やし続けなければならない。そのため原発の汚染水は漏れ続けながら溜まる一方で、タンク等の保管場所に苦労している有様。危険手当のピンはねに見られるように放射能の除梁はゼネコンの食い物にされ遅々として進まず、故郷に帰ることも疎開して新しい土地で出直すこともできない人が15万人。被曝による健康への影響に対する将来の補償や精神的被害への補償どころか、失った財産に対する補償も全く不充分な現実。加えて、被曝労働者は福島第一原発だけで2万人を超え、機器の不足等、放射線の管理がデタラメなため数値を推計でしか把握できない状態になっている。

この状況全てが安倍首相には「カネ」と「核武装」のためとしか思えないのだから恐れ入る。原発を止めているだけでも維持費と減価償却費が多額にかかる。まして原発を廃炉にすれば、今は資産として計上されている原発が一瞬で無価値となり、廃炉費用を考えれば巨額のマイナス資産になる。未使用のウランも足元を見られ二束三文で叩き売るしかない。これでは電力会社は破綻。カネを貸している銀行も大損。原子力産業界も大損。だから世の中に大迷惑をかけても原発を再稼動したいというのが、安倍首相の本音だろう。この発想でしか考えられない安倍首相は、恐ろしいことに官房副長官時代に「憲法は核兵器の保有を禁じていない」旨の発言もしている。

また、原発事故を受け中止寸前だった山口県上関町の原発建設計画が安倍政権の誕生を受け、再び轟きはじめている。3月、山本繁太郎山口県知事は知事選で「不許可にする」と公約した原発建設の公有水面埋立免許の延長の判断を1年先送りにした。他方、原発反対の拠点祝島では祝島漁協に漁業補償金を受け取らせ、反対運動を崩そうとする上からの動きにそれが見て取れる。

しかし私達は被爆と被曝労働を許さず、原発ゼロの世界を目指す。

■■核兵器問題

核兵器をめぐる世界の情勢は増々厳しくなっている。ストックホルム国際平和研究所の2012年版年鑑によると、保有する配備済み戦略核弾頭数(推計)は米国が1952発、ロシアが2435発。戦術核弾頭!は米国が200発。ロシアは10年版の年鑑では2120発となっている。貯蔵する核弾頭の数はもっと多い。先日ドイツを訪問したオバマ大統領は戦略核弾頭を千発水準にする用意があると発表した。その一方でアメリカはヨーロッパでミサイル防衛(MD)を進め、臨界前核実験を行っている。包括的核実験禁止条約(CTBT)は議会で批准されていない。ロシアがそれに応じるか不透明である。その他の国々では中国の軍拡、朝鮮民主主義人民共和国やイランの核開発がある。イスラエルによるイランの核施設攻撃の可能性も報じられている。

アメリカの「核の傘」のもとにいるという理由で、日本政府はスイスジュネーブで開かれた2015年のNPT再検討会議に向けた第2回準備委員会で、南アフリカが提出した「いかなる状況下でも核兵器が再び使用されないことが人類生存に寄与する」という共同声明にサインをしなかった。このことは多くの国々に失望と落胆をもたらした。さらに中東の国々に原発を輸出し核拡散を進めている。日本政府の責任は極めて重い。ヒロシマ・ナガサキ・フクシマを経験して憲法九条を持つ日本は真剣に非核平和外交を進めるべきである。

■■基地・安保問題

7月の参院選を経て、安倍政権は本格的に改憲へと歩を進めようとしている。改憲の条件を緩める96条改憲の後に待っているものは、9条改憲から国防軍創設、徴兵制の復活へと続く戦争への道だ。

改憲に先行して戦争準備が進められている。沖縄や岩国の米軍基地強化=米軍再編だ。日本政府は今年5月、辺野古薪基地建設のための海上埋立申請を強引に進めた。しかし地元名護市をはじめ、沖縄の全ての市町村で新基地建設反対の声が上がっている。安倍政権は、完成の目途もない普天間の代替基地(辺野古海上基地)に陸上自衛隊の配備を検討するなど、何が何でも辺野古に新基地を建設する意思を示している。昨年7月には、オスプレイ岩国陸揚げ-―10月沖縄・普天間基地配備が強行された。普天間配備後も、幾度となく岩国に飛来し、訓練を繰り返している。沖縄では政府合意違反の夜間訓練も強行された。そしてまたも今年7月、オスプレイ12機が追加配備されようとしている。

岩国基地は1.4倍に拡張され、新滑走路と港湾施設を併せ持つ巨大な基地、中国や朝鮮半島を攻撃する最前線基地へと変貌した。神奈川・厚木基地からの空母艦載機移駐や、オスプレイの配備、愛宕山への米軍住宅建設など、次々に岩国基地強化が狙われている。岩国市民は、これ以上の基地強化を許さないと、定例の座り込みや抗議集会など、継続して取り組んでいる。

韓国・済州島でも、海軍基地建設反対が継続して取り組まれている。岩国・佐世保(長崎)・済州島を結んだ、東アジアへの出撃拠点作りに反対しよう! アジアから米軍を追い出そう!

まとめ

私達は被爆者・二世・三世とともに、侵略戦争も核兵器も原発もない世界を目指す。闘うアジアの民衆と連帯して、憲法九条を守り抜き、米軍再編を阻止して、アジアから全ての米軍基地を撤去しよう! 同時に、上関原発建設計画を白紙撤回させ、全ての原発を廃炉にしよう。そして国境を越えた労働者民衆の団結と反戦・反核・反原発・被爆者解放の闘いを前進させ、人間らしく生きられる世界を作り出そう!

(2013年7月13日)


☆☆韓国からのメッセージ


8.6青空共同行動への連帯メッセージ

ヒロシマに原爆が投下されてから68年が過ぎました。多くの人が亡くなり、負傷しました。当時に被爆した人々と被爆二世:三世たちは、今も苦痛の中で生きています。人類が開発した最新鋭の兵器がもたらしたわざわいの記憶は惨酷そのものでした。その記憶だけでも身震いするほどの歴史です。ところが私たちは今、その当時とは比べ物にならない危険な状況に置かれています。それはまさに地球上に存在する数多くの核兵器と原子力発電所です。

戦争兵器を大量に生産しながら戦争防止と平和を語っています。環境問題を語りながら原子力発電所を建設し、稼動させている最中です。嘘であり、野蛮です。今、地中上に存在する核爆弾は68年前にヒロシマとナガサキに投下されたリトルボーイとファットマンとは比べ物にならない規模です。地球を破壊して、人類を滅亡させる威力を持っています。それに加えてフクシマ原子力発電所の爆発が示したように、もうこれ以上、安全な原子力発電所などというものはありません。

今、国家権力を握っている者たちと資本家たちが語る核政策に対して、批判ばかりしている場合ではありません。立ち上がって闘わねばならない時です。本当の人類の平和のため、生命を救うためには核を廃棄せねばなりません。いかなる論理をもってしても、核を維持させてはなりません。帝国主義者たちが語る核の傘の平和とは侵略戦争のことです。新自由主義的な資本主義者たちが語る安くて安全な原子力発電所とは、彼らの利潤のために人類を破滅させることです。

25年前、被爆二世の会を結成して闘って来られた日本の仲間たちのご苦労に敬意を評します。今回、韓国で、日韓共同の「青空」集会行事を開催できたことは大変に歴史的な出来事です。単なる連帯ではなく、共同行動をすることになったのです。韓国では、左派労働者会、AWC韓国委員会を初めとした多くの団体がこの行事を中心になって組織しています。8月5日には写真展とシンポジウムを開催し、8月6日には集会とデモをする予定です。今回の行事を通じて、今後アジア地域の反核運動を押し広げ、深化させていきましょう。軍事主義を排撃し、平和共同体を建設しましょう。

2013年8月6日(火)
左派労働者会、AWC韓国委員会 代表 ホ・ヨング

8・6広島青空集会・その1

8・6広島青空集会・その2

8・6広島青空集会・その3

8・6広島青空集会・その4

8・6広島青空集会・その5

8・6広島青空集会・その6


資料

» 8・6広島青空式典 リーフレット(PDFファイル・約1.97MB)

» 8・6青空共同行動への連帯メッセージ(韓国から)(PDFファイル・約154KB)

» 韓国の「青年左派」ホームページより抜粋翻訳(PDFファイル・約625KB)

awcjapan21@yahoo.co.jp

当サイトに掲載された文章・写真等の無断転載を禁じます。
Copyright © 2005-2013, AWC-JAPAN, All Rights Reserved.