アジア共同行動・日本連絡会議

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日本連絡会議ニュース

 

 

 

第31回フィリピンKMUISAの報告


2015 フィリピン KMUISA報告

  1. はじめに

  2. KMUISAの日程は、4月27日~5月6日だ。

  3. 日程

  4. 4月27日(月)KMUISAKMUと合流
    4月28日(火)会合(ケソン市)。争議現場訪問(マニラ市)。インドネシア大使館行動(マカティ市)
    4月29日(水)コカコーラ労組の会議に参加(カビテ州)
    4月30日(木)争議現場訪問(ヴァレンズエラ市)。メーデー・メッセージ作成。
    5月1日(金)メーデー
    5月2日(土)南タガログ地方(ラグナ州)移動日
    5月3日(日)南タガログ地方(ラグナ州)相良プラッチック(矢崎総業グループ)の組合。
    5月4日(月)南タガログ地方(ラグナ州)移動日
    5月5日(火)会議
    5月6日(水)解散

  5. KMUISA

  6. ア)参加者

    • 中国から数名。オーストラリア数名。アメリカ数名。日本から数名。
    • 中国の1人は、Fred Engst(フレッド・エングスト)教授。アメリカ人。2011年の第4回ILPS総会で中国について報告されている方。母親はジョアン・ヒントン氏。原爆の開発に関わり、その後、中国で反核運動を。叔父は、ウィリアム・ヒントン氏で、「翻身 ある中国農村の革命の記録」などの著作がある方。
    • ほか中国大陸の労働者。
    • オーストラリアの2人は、AMWU(オーストラリア製造業労働者組合)
    • オーストラリアの1人は、Philippine - Australian Union Link (PAUL) (フィリピン・オーストラリア・ユニオン・リンクス)1984年、マルコス独裁時代に結成された連帯組織。
    • 米国は、シカゴの大学教員や人権弁護士など。1996年に「KMU: Building Genuine Trade Unionism in the Philippines, 1980-1994」という本を出されている。

    イ)メーデー

    • KMUは、マニラ首都圏をはじめ全国でメーデーを開催した。マニラのメーデーは、午前中5カ所で集会をした後、ボニファッショ公園までデモ。そこで全体集会をした後、メンジョーラ(大統領府)までデモをし、メンジョーラで再度集会を行った。集会が終わったのは夜の8時半ごろだった。集会は、傘下労組、バヤン系の団体の発言が続いた。ISA参加者は、サント・トーマス大学前からデモに参加し、ボニファッショ公園での集会で登壇した。KMUの基本的な要求は、アキノ大統領の退陣、最低賃金16000ペソ(1ペソ=約2.8円として、約44800円)/月など。メーデーの集会・デモを、マニラ首都圏をはじめ全国各地で組織しているのはKMUだけだ。この日の気温は約40度。
    • マニラ・メーデーのハイライトは、インドネシアで死刑囚となっているメリー・ジェーン・ベロッソの家族が、そろいのミグランテのTシャツを着て登壇し、母親・姉が発言。アキノ政権を批判し、インドネシア大使館前の行動など人民の運動を評価した点だ。
    • アキノ大統領は、例年、KMU以外の労働団体の役員たちと会食をしていたが、今年はそれらの労働団体が拒否し、メーデー当日は、マニラを離れ、セブ市に滞在した。
    • マニラでは、KMU以外に、NAGKAISA(TUCPなど49団体でKMUに対抗する形で形成されている)がメーデーの取り組みを行っている。
    • 例年メーデー翌日の5月2日の新聞は一面トップがメーデー写真だが、今年はマニラ・ブリテン紙が1面トップでKMUメーデーの写真を出しているが、他紙は5月3日に行われるボクシングの記事(パッキャオ対メイウェザー戦)が埋めた。

    ウ)メリー・ジェーン・ベロッソ 助命運動

    • 4月24日、メリー・ジェーンさんらインドネシアでの死刑囚は、死刑執行が行われる島に移動させられ、いつ死刑執行されるかも知れない緊迫した状況になった。フィリピン国内外でインドネシア大使館への行動などが取り組まれた。ISA参加者も4月28日夕方に、インドネシア大使館前の行動に参加した。結果的には、インドネシアでは、4月29日未明、彼女を除く8人の死刑が執行され、彼女は、死刑が一時延期された(形式的には、フィリピン国内で、違法就労を斡旋した容疑者が警察に出頭し、フィリピン国内で事件の捜査継続のため、ということのようだ)。
    • ミグランテ・インターナショナルは「アキノ政権は女性の置かれた状況を看過した責任がある。死刑執行を止められないならば、大統領職を辞任するべきだ」と訴えた。女性は国際的な麻薬取引組織にだまされた人身取引の被害者であり、死刑執行中止を求める声が、フィリピン国内外で強まっていた。アキノ大統領も世論に押され、アセアン首脳会議の際にインドネシア大統領に死刑の中止を求めた。

    エ)会議

    • 会議は、4月28日午前と5月5日午前の2回行われた。28日は、フィリピン側からの報告。この日まで、KMUの各地方の代表者の女性会議が行われており、その参加者がフィリピン各地の報告を行った。
    • 5日の会議は、参加各国の報告(元々は、APECなどに向けたフォーラムで設定されていたが、中国の都合などで各国報告がこの日になった)。この会議には、KMU及びバヤン傘下の各団体に代表派遣を要請しており、バヤンのカロル議長やリタさん、ILPSフィリピンのノルマさんなども参加した。
    • 日本はAWCが準備した報告文を配布し、プロジェクターで報告文を写しながら読み上げた。中国の人は、プロジェクターを使って報告。オーストラリア、米国は、口頭での報告。

    オ)南タガログ地方訪問

    • 南タガログ地方には、多くの工業団地があり、日系企業も多い。KMUも多くの日系企業で労働組合を組織している。弾圧などの関係で、形式的には独立組合にしている場合も多い。今年も3月8日にバタンガス州で組合活動家が殺されている。地域組織は、PAMANTIK(パマンティック)。
    • ここでは、4つに分かれた。オーストラリアはバタンガス州へ。中国の数名は、PAMANTIK - KMUの事務所。米国は、翌日KMU中央と独自の会議を入れているためバス停に近い労働教育のNGO事務所に。日本は、相良プラスチックのフィリピン子会社の組合員の所に。
    • 今回の相良プラスチック(矢崎総業グループ)のケースは、TUCP傘下の御用労組の労働協約期間が終わったため、労働組合認証選挙の実施を求めているが、その選挙を大統領府が止めている、という新しい弾圧(大統領府が重要産業のストライキに介入するなどの例はあるが、認証選挙にまで介入するのは初めてではないか、とのこと。)のケース。
  7. 11月APEC反対ー新自由主義反対の国際共同闘争のよびかけ

  8. APEC闘争など(11月13日~17日ILPS関係の取り組み)。

2015 フィリピン KMU/ISA・その1

2015 フィリピン KMU/ISA・その2

2015 フィリピン KMU/ISA・その3

2015 フィリピン KMU/ISA・その4

2015 フィリピン KMU/ISA・その5

2015 フィリピン KMU/ISA・その6

2015 フィリピン KMU/ISA・その7

2015 フィリピン KMU/ISA・その8

2015 フィリピン KMU/ISA・その9

2015 フィリピン KMU/ISA・その10

2015 フィリピン KMU/ISA・その11

2015 フィリピン KMU/ISA・その12

2015 フィリピン KMU/ISA・その13

2015 フィリピン KMU/ISA・その14

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