アジア共同行動・日本連絡会議

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日本連絡会議ニュース

 

 

 

韓国民主労総、平和と統一を開く人々などによる戦争法案衆院可決への抗議声明


[日本の安保法制 衆議院上程に際しての記者会見文]

日本の安倍政権はどうしても侵略と戦争の道を行くのか?

朝鮮半島再侵略と北朝鮮への先制攻撃を狙う安保法制を廃棄せよ!

日本の安倍政権は今日、衆議院本会議で、いわゆる「平和安全法制整備法案」と「国際平和支援法案」を通過させる予定だ。「平和安全法制整備法案」は自衛隊の集団的自衛権の行使を、「国際平和支援法案」は自衛隊の全世界派兵と他国軍支援と作戦を下支えする法律である。これで日本は世界を相手に再び侵略と戦争の道に進むことができるようになり、何よりも朝鮮半島再侵略と北朝鮮への先制攻撃も可能な悪法を持つことになる。これに対し、私たちは朝鮮半島が再び強大国の覇権ゲームによる戦場となり、自衛隊の軍靴が美しい山河を踏みにじった歴史が繰返されるのではないかという切迫した心情で、安倍政権に安保法制の衆議院処理を中断し直ちに関連11法案を全面廃棄することを強く 求める。

日本の集団的自衛権行使と自衛隊の全世界派兵は、自衛隊を傭兵として、弱まりゆく覇権を維持、強化しようとする米国の覇権戦略と、米国の支援を背景にしてアジアの盟主に打って出ようとする日本の侵略の野心の産物だ。陸上自衛隊が「平和安全法制整備法案」と「国際平和支援法案」の衆議院通過に先立ち、米国とオーストラリアが展開している「タリスマンセイバー」軍事訓練に初参加するなど、素早く対外軍事活動を本格化していることは、この法案が持つ戦争と侵略の属性を象徴的に示している。

日本の集団的自衛権行使と自衛隊の常時海外派兵が狙う1次的対象が朝鮮半島ということは、すでに周知の事実になっている。中谷防衛大臣は、NHK放送とのインタビュー(2015.5.24)で、『法的要件を満たせば、他国の領土内で(敵の)基地も攻撃することができる。』と語った。自衛隊が韓国の領土に入ってきて北朝鮮を攻撃することもできるという主張だ。ところで「平和安全法制整備法案」等の関連安保法制には、自衛隊が韓国領土に入ってくる時に韓国の事前同意を得るという規定がない。したがって自衛隊は、日本のいわゆる「武力行使の新3要件」さえ満たせば韓国領土に入ってくることができる。この「武力行使の新3要件」には、「明白な危険」という、自衛隊の武力行使に関するあいまいな規定 があるだけだ。そしてこれさえも、日本の内閣が恣意的に判断する。このように日本自衛隊の韓国再侵略を日本内閣の恣意的な判断でいくらでも可能にするものが、今日、衆議院で通過させようとしている安保法制なのだ。

日本はまた、韓国再侵略と共に北朝鮮への先制攻撃を狙っている。中谷防衛大臣は日本フジTVとのインタビュー(2015.5.17)で、『北朝鮮が米国をミサイルで攻撃した後、追加発射を準備する場合、「集団的自衛権」を発動して北朝鮮の基地を攻撃することができる。』と主張した。さらに彼は、衆議院平和安全法制特別委員会(2015.6.1)で、「武力行使の新3要件」にさえ該当すれば、日本に対する攻撃の意思をもたない相手国に対しても日本が武力を行使することができると語った。少なくとも2013年の米日外交・国防長官会議以降の北朝鮮先制攻撃戦略と戦力導入をオープンに明らかにして以来、もう日本は米朝または南北の有事に北朝鮮を先制攻撃する意志と計画を整えつつあるのだ。これは北朝鮮に対す る侵略だ。このように安倍政権は、安保法制の衆議院通過によって韓国と北朝鮮とを問わず侵略対象と定め、朝鮮半島全体を再び支配しようとする野心をむき出しにしている。

自衛隊の朝鮮半島での戦争介入と再侵略にとって鬼に金棒となるのが、いわゆる「改正日米新ガイドライン」だ。「改正日米新ガイドライン」は、朝鮮半島有事の際に米軍に対する弾薬支援など軍需支援と戦闘捜索・救難等を通して前方後方を問わず米軍を支援し作戦を行えるようにすることで、米軍の支援と米軍との作戦を口実にしていくらでも自衛隊が朝鮮半島に入ってこれるようにするものだ。

さらにこのガイドラインにも、韓国の事前同意を得るという規定はない。ただ主権を尊重するという文面があるだけだ。尊重という言葉は、国際法的に何の規定力を持たない。日本と自衛隊があえて尊重するとすれば、韓国の軍事主権、すなわち戦時作戦統制権を行使する米国と、米国の意思を尊重することになるのだろう。このように米国と米軍、そして韓国軍に対する戦時作戦統制権の行使は、自衛隊がいくらでも朝鮮半島を再侵略することができるように道を開く牽引車となっており、「改正日米新ガイドライン」はその通路になっている。

ところが安倍政権のこのような歴史と平和に反する退行的な侵略と戦争の道は、日本の国民の一途な平和の願いに背を向けている。日本国民の60%に近い数字が日本の集団自衛権行使に反対しており、日本の憲法学者の90%が日本の集団自衛権行使は違憲であるとして声を上げている。多くの日本の地方議会も、集団自衛権と安保法制制定と法改正の撤回を要求している。 うなぎ上りだった安倍政権の支持率も、反対の立場が優勢になる支持率の逆転現象を引き起こしている。

このように日本国民の世論は日本の集団自衛権行使と海外派兵を通した再侵略と戦争の道に反対している。それにもかかわらず、安倍政権が米国に追随し、ついに全世界が反対する再侵略と戦争の道を行くならば、その終わりは再び2次世界大戦と同様の惨めな敗戦と没落だけが待っているだろう。安倍政権があたかも絶対的な神ででもあるかのように崇拝している正にあの米国と米軍が日本の没落を催促することになるだろう。

これに対し私たちは安倍政権に直ちに安保法制を廃棄して侵略と戦争を放棄し、来る8月に発表する談話で本当に過去の侵略と植民地支配の不法性を認めることによって日本が韓国民をはじめとする世界の平和国家と国民の期待に応えることを強く求めるものである。

2015年7月16日
四月革命の会、全国民主労働組合総連盟、平和と統一を開く人々、平和在郷軍人会

 

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