アジア共同行動・日本連絡会議

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日本連絡会議ニュース

 

 

 

川内原発再稼動に対する抗議声明

2015年9月5日


8月11日、政府と九州電力は川内原発1号機を再稼動させました。わたしたちアジア共同行動日本連絡会議は、地元住民はもちろんのこと全国の反対の声を無視し警察権力を導入して行なわれた今回の再稼動に対して怒りをもって弾劾するとともに、川内1号機の運転をただちに停止させることとすべての原発の廃炉をあらためて訴えます。

規制委員会委員長である田中俊一は「適合性審査」は「安全基準ではない」と繰り返し発言してきました。これに対して安倍や政府は「適合性審査」を「安全審査」と言い換え、規制委員会が「合格」としたものについては、「再稼動をすすめる」としてきました。しかし、今回の川内原発の審査内容をみるならば基準地震動をめぐっては「法令違反」も指摘され、さらに川内原発で重視された火山噴火対策についても火山、防災の専門家から「九州電力の主張は荒唐無稽、学問への冒涜」とさえ言われています。他にも過酷事故対策として原子炉容器から溶け出した核燃料に対して、コアキャッチャーの装備が世界基準となっていますが、九電は水を溜めて冷やすとしています。これについては水蒸気爆発の危険性が極めて高いとの指摘がなされているのです。また、事故発生時に必要となる重要免震棟の建設さえ行なわれていません。「適合性審査」の基準そのものが世界最低であり、審査内容も極めてずさんなものであるといわざるをえません。とても安全が担保されたなどといえるものではないのです。

原発事故が起こった場合の住民の避難計画は「適合性審査」の対象にもなっていません。避難計画の作成と実行は地元自治体任せにされたあげく、電力会社は「避難に協力します」という態度です。このあまりにもひどい避難計画に地元住民の怒りは全国に広がりつつあります。避難がいかに困難であり、放射能被害が30キロ圏に止まるものではないことをすでに福島第一原発の事故は示しています。避難途中で多くのお年寄りが命を奪われました。また、同じ過ちを繰り返すというのでしょうか。原発がなければ避難計画などそもそも必要ないのです。福島の避難住民は、今だ11万人を超えています。長期にわたる避難生活は、住民の健康や生活を破壊し、家族や共同体をも破壊しました。子どもたちの甲状腺ガンも多発しています。福島第一原発事故の問題はなにひとつ解決されていません。原発をもつ電力9社の今年4月から6月期の決算は、震災後初めて経常損益がすべて黒字となっています。電力会社には、再稼動する道義性などまったくないのです。

世論調査では、全国で6割近くの人たちが再稼働に反対しています。また、将来的には脱原発をめざすべきとする世論は85%に達しています。

原発が稼動するかぎり被曝労働者が生まれ続けます。政府は、原発労働者の緊急時被曝線量を大幅に引き上げ(年間250mSv)、今後、自治体職員やバスの運転員など事故対応する労働者の被曝線量の引き上げも検討しています。住民や労働者の「命」よりも企業の「利益」を優先するなどぜったいに許すことはできません。

『核と人類は、共存できない』ことを改めて確認し、日本国内はもとより全世界で原発に反対する人々とともにすべての原発の廃炉にむけて闘いぬきましょう。伊方、高浜の再稼動を阻止しましょう。原発の輸出に反対しましょう。

アジア共同行動日本連絡会議は、反原発を闘いぬく全国の方々とともにすべての原発廃炉まで闘いぬきます。

アジア共同行動日本連絡会議

 

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