アジア共同行動・日本連絡会議

日米のアジア支配に反対し、アジア民衆の連帯を推進する

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日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)への反対声明


朴槿恵大統領の退陣を求める韓国民衆の巨大な決起に連帯し、日韓軍事情報包括保護協定の締結に断固反対する

日韓両政府はさる11月14日、軍事情報包括保護協定への仮署名を行った。日韓の間で軍事情報を共有するための基礎となるこの協定は、東アジアにおける米国主導のミサイル防衛(MD)体制の構築と日本による集団的自衛権の発動を支え、日米韓の軍事一体化および三国軍事同盟の形成をさらに促進していくものに他ならない。私たちアジア共同行動(AWC)日本連絡会議は、このような協定の締結に断固反対し、その撤回を求めてたたかう。

周知のように、「崔順実ゲート」として明らかになった朴槿恵大統領による国政の私物化に対する韓国民衆の怒りは、大統領退陣を求める11月12日の100万人民衆総決起として爆発した。朴槿恵政権が今やまったく民意を代表していないことはあまりにも明らかである。しかし、日本政府・安倍政権は、そのような民意を代表しない政権との間でこの協定の締結を急ぎ、14日には仮署名を強行したのだ。その強引な手法を私たちは徹底的に弾劾する。

この日韓軍事情報包括保護協定は、2012年に締結寸前にまで至ったが、韓国世論の強い反対のなかで、いったんは頓挫した。そして、2015年12月の日本軍「慰安婦」制度問題に関する「日韓合意」という日本の戦争責任・戦後補償問題をめぐる許し難い「最終決着」策動を経て、再び浮上してきたものである。日韓の軍事協力と軍事一体化を促進するこの協定は、真に民意を代表する政権との間では成立しえない。それゆえに、安倍政権は朴槿恵政権との間での締結をことさら急いでいるのだ。

日韓軍事情報包括保護協定は、昨年9月に強行制定された戦争法(新安保法制)の下で、日本による集団的自衛権の発動を具体的に支えていくためのものとなる。この協定は他国に向かう弾道ミサイルの自衛隊による迎撃のために、あるいは、朝鮮有事を念頭に置いた軍事作戦の一環である自衛隊による米軍の「後方支援」や「捜索救難活動」のために、「早期警戒情報」を取得することで、集団的自衛権の具体的発動のための基礎を形成するものである。それはまた、朝鮮半島への自衛隊の派兵をも想定したものである。安倍政権はいま、「駆け付け警護」という名で戦闘任務を拡大しつつ、戦争法下で初めての自衛隊の南スーダン派兵を強行しようとしているが、東アジアにおいては、この日韓軍事情報包括保護協定の締結を通して戦争法の具体化をおし進めようとしているのだ。

この日韓軍事情報包括保護協定はまた、ミサイル防衛(MD)体制の構築・強化を通した日米韓の軍事的一体化および三国軍事同盟の形成に向けた動きをさらに加速させるものである。日本の車力、京丹後への米軍Xバンドレーダーの配備に続き、韓国・星州へのサード・システム(Xバンドレーダーとサード・ミサイル)の配備策動、さらに自衛隊によるサード・ミサイル導入計画など、中国の軍事的包囲を念頭に置いた米国主導のミサイル防衛(MD)体制の構築・強化策動は、東アジアにおける軍拡と軍事緊張の高まりをもたらしている。日韓軍事情報包括保護協定は、このMD体制の全面的運用にとって不可欠であり、それゆえ米国が強く要求してきたものである。このミサイル防衛(MD)システムはまた、朝鮮民主主義人民共和国に対する先制攻撃戦略と結びついており、それを補完するものに他ならない。

日韓両政府は朝鮮民主主義人民共和国の「核やミサイルの脅威の増大」を口実として、この協定の締結を狙っている。しかし、このかん朝鮮半島および東アジアをめぐる軍事緊張を高めてきた最大の要因は、繰り返される大規模な米韓合同軍事演習、拡大する日米韓の三国合同軍事演習、在日・在韓米軍基地の強化策動、日本による戦争法の制定など、日米政府の軍事的動向、朝鮮民主主義人民共和国に対するその戦争挑発策動にこそある。

私たちアジア共同行動(AWC)日本連絡会議は、朴槿恵大統領の退陣を求めて立ち上がっている韓国の労働者・民衆と固く連帯し、日韓の軍事協力強化と有事における自衛隊の朝鮮半島への派兵策動を許さず、日米による朝鮮半島での戦争策動に反対してたたかう。その一環として私たちは、東アジアにおけるミサイル防衛(MD)体制の構築と日本による集団的自衛権の発動を支え、日米韓の軍事一体化および三国軍事同盟の形成を加速させる日韓軍事情報包括保護協定の締結策動を許さず、その撤回を求めてたたかう。

2016年11月18日
アジア共同行動(AWC)日本連絡会議

関連情報

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