アジア共同行動・日本連絡会議

日米のアジア支配に反対し、アジア民衆の連帯を推進する

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米韓合同軍事演習を弾劾する声明


米韓合同軍事演習フォールイーグル/キーリゾルブを即時中止せよ!

米韓両軍は、3月1日から4月30日まで合同野外機動演習「フォールイーグル」を、3月13日から24日まで合同指揮所演習「キーリゾルブ」を実施する。二か月間にわたって続くこの合同軍事演習は、朝鮮半島における戦争危機を極度に高め、朝鮮半島の人々が願う平和と統一への道の前に立ちふさがるものである。それはまた、高揚する韓国民衆の朴槿恵退陣闘争を大きく威圧せんとするものでもある。私たちアジア共同行動(AWC)日本連絡会議はこの演習を徹底弾劾し、その即時中止を強く要求する。また、こうした演習への自衛隊の参加を狙う日本政府・安倍政権の策動を許さず、日米韓による三国軍事同盟の形成策動に強く反対する。

昨年の「フォールイーグル/キーリゾルブ」演習は米軍1万7000人、韓国軍32万人が参加する史上最大規模で実施されたが、今日から始まった今年の同演習はさらにそれを上回る空前の規模になろうとしている。報道によれば、今回の合同軍事演習には、異例な形で二隻の原子力空母-ロナルド・レーガンとカールビンソン-が参加する。さらに、ステルス戦闘機F-35Bに加え、長距離戦略爆撃機B-52、超音速戦略爆撃機B-1Bランサー、ステルス爆撃機B-2スピリット、ステルス戦闘機F-22などが参加する。

米国と韓国はこの合同演習を通して「朝鮮民主主義人民共和国の核や弾道ミサイルの脅威」に対抗するための「4D作戦」(探知・攪乱・破壊・防御)の具体化を進めるとしている。それは共和国が大量破壊兵器を使用する「兆し」を示した時点で共和国の基地を破壊するというきわめて先制的・攻撃的な戦争作戦だ。私たちはこのような先制攻撃のための危険な戦争演習である今回の米韓合同軍事演習に断固反対する。

さらに今回の合同軍事演習では、韓国に配備がもくろまれるサード(終末高高度ミサイル防衛)システムの運用手続き演習も実施される。それはサード配備を阻止するために連日立ち上がっている星州・金泉の住民をはじめとする韓国の人々に対する真っ向からの挑発であり、敵対である。それはまた、米国を中心として進められている東アジアでのいわゆる「ミサイル防衛」(MD)システムの構築が、先制攻撃戦略と結びついたものであることを鋭く示している。

この米韓合同軍事演習には、横須賀基地を母港とする原子力空母ロナルド・レーガンや今年に入って岩国基地に配備されたステルス戦闘機F-35Bをはじめ、在日・在沖米軍基地から多くの米軍部隊が参加する。日本政府は米軍に基地を提供することで、これまでも米韓合同軍事演習と共和国に対する軍事的圧迫・戦争挑発に加担してきた。しかし、それだけではない。2015年の日米ガイドライン再改定と戦争法制の確立を通して、安倍政権は自衛隊の朝鮮半島への戦時派兵をも想定した米国との共同作戦体制を飛躍的に強化してきた。同時に、日韓軍事情報包括保護協定の締結など韓国との軍事協力をおし進めてきた。いま日米韓の三国軍事同盟の形成に向けた策動が強まるなかで、安倍政権が米韓合同軍事演習への自衛隊の直接参加を追求していることは明らかである。また、サードをはじめとするミサイル防衛(MD)システムの実際的運用には、日米韓の軍隊の相互連携が不可欠となる。私たちは、日本政府・安倍政権が狙っている米韓合同軍事演習への自衛隊の参加、日米韓の三国軍事同盟の形成、そして自衛隊の朝鮮半島への派兵策動に反対し、断固としてたたかっていく。また、日韓軍事情報包括保護協定の破棄を要求する。

さる1月の米国でのトランプ政権の発足によって、朝鮮半島・東アジアにおける戦争危機は一段と高まっている。トランプ米大統領はすでに、「米軍再建」を掲げて核兵器の近代化、MDシステムの強化、米艦船や戦闘機の増強などを内容とする大統領令を発した。そして、「再び戦争に勝ち始めなければならない」として軍事予算の「歴史的な拡大」を打ち出した。1月末の韓国・黄教安首相との電話会談では、「核の傘」を含む全面的な軍事力による韓国の防衛を強調することで、共和国に対する軍事包囲・戦争挑発を強めている。このような米国の動向、そして日本の軍国主義的動向こそが、朝鮮半島と東アジアの軍事的緊張を拡大させている主要因に他ならない。

そもそも朝鮮半島をめぐって絶えず軍事緊張が高まる根本的な原因は、朝鮮戦争が今なお終結しておらず、朝鮮半島の南北が分断されたままだという現実にある。この現実こそが早急に転換されなくてはならない。それゆえ私たちは、朝鮮戦争の停戦協定を平和協定に転換させ、朝鮮戦争を公式に終わらせること、日米政府が共和国敵視政策を転換し、日朝・米朝国交正常化を実現することを要求する。それらの基盤の上に朝鮮半島の非核化と恒久的な平和体制を実現し、朝鮮の自主的平和統一への道筋を切り拓いていかねばならない。私たちは朝鮮半島の人々、そして平和を願うアジア・全世界の人々と連帯し、排外主義と対決しつつ、これらの要求の実現のためにたたかう。

私たちアジア共同行動(AWC)日本連絡会議は、朝鮮半島での戦争危機を強め平和と統一への道に逆行する米韓合同軍事演習フォールイーグル/キーリゾルブの即時中止を求めてたたかう。そしてまた、日米安保体制と対決し、戦争法を廃止させ、自衛隊の朝鮮半島派兵と日米韓三国軍事同盟の形成を許さないたたかいを推進する。

2017年3月1日

アジア共同行動(AWC)日本連絡会議

関連資料

» 米韓合同軍事演習を弾劾する声明(PDFファイル・約183KB)

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