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福島汚染水海洋放出に対するAWC韓国委員会の論評


AWC韓国委員会の論評です。


<論評>

今こそ本格的な脱核運動に取り組むべき時
-- 福島放射能汚染水の海洋投棄を中断させる闘いを宣言しつつ

2023年8月24日午後、日本政府と東京電力は福島第一原発の放射能汚染水[訳注:原文は「核汚染水」]を太平洋に投棄し始めた。全世界に対する戦争宣言であり、核=原子力の災害を加重させる蛮行だ。これまで日本政府は、核=原子力の振興機構である国際原子力機関(IAEA)を前面に押し立てて福島放射能汚染水の海洋投棄を準備してきた。

日本と最も近い韓国は、尹錫悦政権の発足とともに植民地支配に対する日本のきちんとした謝罪と反省のないまま、米国の主導下で日韓関係の正常化を推進し、放射能汚染水の海洋投棄について黙認してきた。こうした状況のため、日本の海産物輸入1位である中国の強い反対にもかかわらず、海洋投棄を強行するのがはるかに容易になった。

欧州におけるロシア・ウクライナ戦争、および、欧米対ロシア、北東アジア地域の日米韓三角軍事同盟の推進による「日米韓台湾」対「朝中露」の対峙が新冷戦体制を強めている。日本政府はこうした機会を利用して、米国とIAEAの威を借り、韓国尹錫悦政権が福島放射能汚染水の海洋投棄に反対しないようにした。

今年の上半期に限れば、福島放射能汚染水の海洋投棄について韓国人の80%が反対したが、日本人は60%が賛成した。しかし、海洋投棄が迫る中、共同通信の世論調査では賛成が30%に減る結果になった。福島を中心に生存権を守るための日本の漁民の反対はより積極的だ。

今年8月21日、日本では多核種除去設備(ALPS)処理汚染水の海洋投棄を禁止する訴訟弁護団(広田次男・河合弘之・海渡雄一各弁護士など)を結成して原告を募集している。9月8日、福島地裁に1次提訴し、2次提訴は10月末までに準備する予定だ。韓国など外国人の場合、訴訟を支援する会に加入できる。

弁護団は「過去に放射性廃棄物を故意に海に放出した事例はない。仮に希釈しても放射性物質の総量は変わらない。処理水にはトリチウムだけでなくセシウム134、137、ストロンチウム90、ヨウ素129、炭素14などが含まれている。健康への影響はどこでも評価されておらず、安全性が確認されていない。福島第一原発の敷地内や敷地近くに7-8号機の建設予定地などタンクを建てる場所が多く、また、汚染水をモルタルで固体化するなどの有効な代案が提案されたが、きちんと検討されなかった。デブリを取り出すのは30年後のことであり、『福島復興に向けた海洋放出』という主張はごまかしだ。今すぐタンクを撤去する必要はない。そして放射性廃棄物の海洋投棄はロンドン条約96年議定書によって全面的に禁止されている」と主張した。

また、弁護団の主張によれば、福島放射能汚染水は直ちに海洋投棄するのではなく、陸上でタンクに保管しなければならず、また、保管することができる。福島第一原発近くの汚染地域には住民が住んでいない。したがって、タンクを貯蔵する敷地は十分だ。経済大国の日本がこれに耐えられないわけでもない。日本政府と東電の主張通りに放射性物質を海に捨てたとしても、決して希釈されない[訳注:投棄される放射性物質の総量に変わりはないことを指すものと思われる]ことが明らかな以上、[放射能汚染水の海洋投棄は]全世界に向けたテロ行為だ。

米国とロシアが日本の放射能汚染水の海洋投棄に反対しないのは、両国が世界最大の核兵器保有国(米国とロシアが全世界の保有量の87%を占める)であると同時に、原子力発電所保有国(米国1位、ロシア5位(旧ソ連2位))だからだ。1946年に米国は太平洋ビキニ島を皮切りに多くの島で原子爆弾実験を行った。ソ連(ロシア)は1966~1993年に日本海にセシウム・ストロンチウム・トリチウムが含まれる使用済み核廃棄物など液体・固体の核廃棄物すなわち老朽原子炉そのものを海に捨てた。

米国とロシアのみならず原発を保有している国々は、原子力発電の過程で温排水はもとより、事故や故障によって発生する放射性物質の漏出については知らぬふりをして行うか、または基準値以下だと強弁する。核兵器を保有している国々は絶え間ない核実験で放射性物質を漏らしている。その他にも原子力潜水艦・原子力艦船の運用で海が汚されている。たとえ核兵器が使用されないとしても、戦争の過程でミサイル攻撃により原発が破壊される場合、深刻な放射性物質の災害を招きかねない。今起きているロシア・ウクライナ戦争の渦中にも原発攻撃の危険が依然として残っている。

今こそ、核=原子力の危険から地球と人類を守り抜く脱核運動を積極的に繰り広げていく絶好の機会だ。福島放射能汚染水の海洋投棄に反対して阻止することにとどまらず、核兵器と原発を廃棄する闘いに全面的に取り組むべきだ。原発爆発事故は、1979年米国スリーマイル、1986年ソ連(現ウクライナ)チェルノブイリ、2011年日本の福島で終わらないだろう。「科学」の名で「安全」を語るが、地球上で最も科学技術が発展した国で原発事故が発生した。放射能汚染水の海洋投棄を阻むことが当面の課題ではあるが、根本的な原因を取り除くためには、核兵器を廃棄し原発を閉鎖しなければならない。

日本政府は、米国とIAEAの庇護の下(尹錫悦政権は付き添い)で福島放射能汚染水を海洋に投棄した。そして、老朽原発の再稼働と原発の新規建設を継続して試みるだろう。同時に、プルトニウムの抽出を通じて核兵器の生産と保有も狙うはずだ。日本で9月から始まる多核種除去設備(ALPS)処理汚染水の海洋投棄を禁止するための訴訟を今すぐに支持・支援し、これに連帯すべきだ。

帝国主義と核マフィア[=原子力村]勢力は、自分たちの覇権と利益のために核兵器を生産し続け、原子力発電を続けていくだろう。しかし、核=原子力の振興と競争は人類に災いをもたらす。労働者民衆は脱核運動により一層積極的に取り組もう!同時に、一国内で展開される個別分断された闘いではなく、国際的連帯を模索していこう!

2023年8月24日
AWC(帝国主義の侵略と支配に反対するアジア共同行動)韓国委員会

 

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