日本連第14回総会決定集

       

 

 

 

 

                  第14回総会決定集

(1)08年度 活動報告と総括

①(活動報告)

(2008年)

3月  第13回総会(於・京都)

3月  事務局韓国派遣(AWC韓国委員会との会議、ムゴンニ訪問)

4月  ISA参加(28日~9日) 

5月  沖縄闘争派遣、ヘーゼル事件不起訴処分抗議・那覇地裁抗議闘争(14日~18日)

5月    環境大臣会合反対闘争(神戸)

6月    司法・法務大臣会合反対闘争(東京)

    財務大臣会合反対闘争(大阪)

        ILPS国際総会代表派遣

        全国会議

      外務大臣会合反対闘争(京都)

7月    G8サミット反対大阪集会(1日)

        G8サミット反対東京集会(1日)

7月  G8反対洞爺湖現地闘争(伊達キャンプ。米国、韓国、フィリピン、台湾、AS    A参加)(6日~9日)

7月    ヘーゼルさん支援、沖縄派遣

8月  広島反戦反核集会参加(6日)

8月    夏期反戦合宿、ジョージ・ワシントン横須賀母港化反対闘争(横須賀)

8月    ムゴンニ平和国際会議

9月    ジョージワシントン横須賀入港阻止闘争(横須賀)

10月    全国会議(於・京都)

11月  岩国国際集会(29日~30日)

12月   アジア共同行動各地集会、協力団体による各地開催(1日~8日)

(韓国から参加。神戸、京都、大阪、名古屋、東京、長野、広島)

(2009年)

2月  全国会議(於・京都)(7日)

3月    米韓軍事演習に対する各地行動

        3・20国際共同行動

(註)毎月一度、全国事務局会議を開催

沖縄辺野古に随時派遣

米大使館・領事館、フィリピン大使館、韓国大使館等への諸抗議行動

(出版物)

07年岩国国際集会の報告集を発行

ムゴンニ国際平和会議報告集を発行

G8サミット反対闘争記録集を発行

タガイタイ5救援ニュース発行(無料)

07年ISA報告パンフを発行

08年ISA報告パンフを発行

(署名運動)

辺野古基地建設に反対する国会誓願署名(辺野古実よびかけ)

愛宕山地域開発事業の都市計画変更についての再審議に向けた共同要請

愛宕山の米軍住宅化絶対反対5万人署名

ヘーゼル支援署名(ミグランテ呼びかけ)

岩国米兵による広島女性暴行事件不起訴処分への公開質問状賛同署名(軍事基地と女性ネット呼びかけ)

ムゴンニ訓練場拡張阻止のための国際連帯署名

カン・ギガプ議員裁判への嘆願書署名

フィリピン人権侵害に抗議する署名

 

②(総括)

  総括の第一は、08年度の三大闘争、すなわち、G8サミット反対闘争、ジョージ・ワシントン横須賀母港化反対闘争、岩国基地強化反対闘争を、総力で成功させたことであり、全国で、反戦・反基地闘争-米軍再編とのたたかいを前進させたことです。G8サミット反対闘争は、各地での閣僚会談への反対闘争を取り組み、洞爺湖現地では、フィリピン、韓国、台湾、米国、さらに、学生が招いたアジア学生協会の仲間も含めた、反帝国主義を掲げた国際共同闘争として成功しました。労働組合の仲間への不当逮捕、さらに、韓国の仲間への入国拒否、サミット反対闘争に対する予防弾圧をはねのけて闘いました。ジョージ・ワシントン横須賀母港化反対闘争は、8月の日本連反戦夏期合宿を併せて開催し、9月入港反対闘争まで、アジア共同行動首都圏の仲間が先頭になって闘いました。神奈川の仲間と共闘関係を一層強めました。岩国米軍基地強化に反対するたたかいは、アジア共同行動山口・九州の仲間が先頭になって、愛宕山住民の人々との交流など、岩国市民により連帯したたたかいとして大きく前進しました。また、岩国国際集会と連動して、労働者実行委が独自に形成され、労働者反戦闘争として大きな意義をもつものとなりました。また、岩国国際集会に先立って、軍事基地と女性ネットの呼びかけで、全国8カ所での広島事件に抗議する全国同時行動が取り組まれるなど、さまざまな領域で岩国米軍基地強化に対するたたかいが作られてきました。岩国基地強化反対闘争は、昨秋の集会以降も、愛宕山の米軍住宅化絶対反対5万人署名(それを倍する署名が集まっています)や、愛宕山地域開発事業の都市計画変更についての再審議にむけた共同要請書提出など、岩国市民に連帯した日常的なたたかいを継続してきました。08年度、三大闘争として臨んだ以上のたたかいを、大きく成功させたこと、これが総括の第一です。

  総括の第二は、このように、労働者の反戦闘争や、学生運動、軍隊の性暴力とたたかう女性戦線、被爆二世のたたかい、障害者解放運動など、さまざまな運動の前進に貢献してきたことです。

  岩国国際集会と連動した、労働者実行委による労働者反戦闘争、軍事基地と女性ネットによる軍隊による性暴力(広島事件、へーゼルさん事件)に対するたたかい、また、学生運動や、被爆二世のたたかい、障害者解放運動など、アジア共同行動内外の人々によって、こうしたさまざまな運動の発展や、その国際連帯行動に貢献してきたことです。

  総括の第三は、フィリピンISAや韓国労働者大会などに派遣団を送り出し、国際連帯行動を発展させてきたことです。事務局派遣、ムゴンニ平和国際会議、韓国労働者大会への派遣を通して、韓国AWC委員会、ならびに、ムゴンニ住民や民主労総との交流と連帯を一層進めました。また、米国やフィリピンなどの大使館や領事館への抗議行動など、反戦闘争として、また、フィリピン人権問題などで、国際連帯行動を果敢にたたかってきたことです。タガイタイ5の釈放などを勝ち取りました。

  総括の第四は、各地でアジア共同行動の運動と組織を発展させながら、東海地方で新たにアジア共同行動をともにたたかう仲間を迎え入れてきたことです。私たちは08年度も、全国各地でさまざまな団体との共闘を発展させてきました。こうした共闘をより発展させながら、アジア共同行動をより多くの仲間とともに推進するために引き続き奮闘しましょう。

 

(2)09年度 情勢

①米国発の金融恐慌は、全世界を覆っています。世界中が、一斉に同時不況へと突入しました。これは、全世界で進めてきた新自由主義グローバリゼーションの帰結であり、それ故に、長期にわたるものです。全世界で労働者の抵抗闘争は強まるでしょう。ブッシュからオバマ政権へと移行した米国は、経済危機に襲われています。ブッシュ時代の好戦的な戦争政策から米国は根本的に転換するでしょうか。そんなことはありません。ブッシュの単独行動主義から、他国との協調重視に転換するだけです。それは、日本への要求が強まることも意味します。米軍再編と日米軍事同盟の一体化は変わりません。オバマは、アフガニスタンを「対テロ戦争」の主戦場と位置づけ、イラクからアフガンに戦争の重点を移そうとしています。自民党も民主党もアフガン派兵には積極的です。イスラム勢力による反米闘争は今後も拡大するでしょう。いわゆる第三世界の反帝国主義闘争も拡大するでしょう。

②日本も大不況へと突入しました。そして、またもや、一切を労働者階級の犠牲へと転化し、危機を乗り切っていこうとする資本の攻勢が開始されました。自動車・電機などの主要産業は、一斉に派遣切りを開始しました。正規、非正規を貫く解雇攻撃が吹き荒れています。外国人労働者も一斉に首切りにさらされています。投資、消費、すべてが落ち込み、経済成長は、戦後最悪のマイナス成長に入りました。政府は、金融機関のみならず民間企業への公的資金投入も始めようとしています。それほど、倒産、失業の一時代が本格的に到来しようとしているのです。すでに、労働者の三人に一人、若年層では二人に一人という非正規雇用労働者です。ワーキングプアーが広範に生み出され、労働者の生活は苦しくなるばかりです。大不況への突入で、ますます労働者の生活は破壊されていこうとしています。

③小泉以来の「構造改革」は、規制緩和によってあらゆる領域を資本の利益追求の草刈り場に転化してきました。特に、労働市場の規制緩和と社会保障制度の解体・市場化は、労働者の非正規雇用化と貧困化を招いてきました。こうした結果、労働者の政府批判は拡大し、自公政権は、労働者の怒りを無視しては一歩も進めない局面に直面してきました。自公政権は、「構造改革」のテンポを緩め、労働者の怒りを懐柔するために迷走したばらまき政治を行ないながら、政権延命に汲々としています。9月までに実施される総選挙で、自公政権の敗北は必至です。しかし、自公政権にとってかわろうとする民主党も、独自のアフガン派兵や憲法改悪には積極的です。

④私たちは、自公政権であろうと民主党政権であろうと、強まっていこうとする米軍再編-日米軍事同盟の強化に一貫して反対し、本年度も、反戦反基地闘争を全力で推進していきましょう。米軍再編を通して、日米軍事同盟は統合軍化・一体化を飛躍的に推し進め、沖縄、「本土」各地での共同軍事演習は常態化しています。米軍基地は新たに建設され、沖縄、「本土」各地が、世界中に展開する日米両軍の巨大な出撃基地へと一層強化されようとしています。沖縄の辺野古新基地建設、岩国米軍基地強化、神奈川での基地強化、各地で攻防が続いています。また、ソマリア派兵、「海賊対策新法」制定策動、アフガンへの自衛隊派兵策動、派兵恒久法制定策動を絶対許さずたたかいましょう。

  米軍再編に反対する各地の反基地闘争、また、世界恐慌下、大不況のなかでますます強まる労働者の生活と権利のためのたたかい、反貧困のたたかい、こうしたたたかいを推し進めながら、アジアの民衆と連帯した反戦闘争を前進させていこう。米国や日本両政府のアジア支配に反対する国際共同闘争を前進させていこう。

 

(3)09年度 方針

(政治闘争方針)

①第一に、昨年にひき続き、沖縄、岩国、神奈川における反戦反基地闘争を、地元の市民に連帯しながら、アジアからすべての米軍基地を撤去させる国際共同闘争としてたたかうことです。また、反基地闘争としっかり結合して、強まる派兵、九条改悪策動を反戦闘争としてたたかうことです。

  辺野古新基地建設に反対する沖縄のたたかいは、ますます、重要な攻防局面を迎えていこうとしています。辺野古現地へのたたかいへの参加を強化し、かつ、「本土」における辺野古新基地建設に反対する世論形成のために各地でより力を入れて取り組んでいきましょう。5月沖縄闘争を「本土」、沖縄を貫いてたたかいましょう。

 岩国は、愛宕山を米軍住宅にしようとすることに反対し住民が立ち上がっています。また、爆音訴訟も開始されました。昨年は、愛宕山住民との交流会などを通して、住民との連帯も大きく前進しました。引き続き、岩国市民と連帯しながら、今秋も、岩国に集まりたいと思います(11月28日29日を予定)。また、岩国国際集会では、軍隊の性暴力とたたかう女性運動や学生運動、障害者解放運動、部落解放運動など、さまざまな運動の発展と結びついて進められてきました。特に、労働者実行委のたたかいは、労働者の反戦闘争を大衆的に作りあげていこうとする大きな成果を実現してきました。本年もすでに労働者実行委の結成が呼びかけられています。そこで、今秋の岩国集会は、地元住民と連帯しながら、かつ、さまざまな人々が岩国基地強化に反対するより大きなたたかいを発展させていくために、労働者実行委の人々と相談しながら、より広範なたたかいを作り出すために知恵をしぼっていきたいと思います。

 神奈川については、昨年、夏期反戦合宿の成功に大きな力を出してくれた地元の仲間と引き続き連帯しながら、たたかいを継続していきましょう。

  また、全国を貫いて、軍隊の性暴力とたたかう女性戦線とともに、アジア共同行動日本連全体で、軍隊の性暴力を許さないたたたかいをともに前進させていこう。

  こうした各地での反基地闘争と固く結合して、ソマリア派兵、「海賊対策新法」制定策動、強まるアフガニスタン派兵策動、派兵恒久法制定策動に反対し反戦闘争を強化していこう。九条改悪策動は、集団的自衛権の実質化と派兵強化を水路に、実質改憲が推し進められ、九条改悪を要とする明文改憲へと向かおうとするのが支配階級の総意と言っていいと思います。また、改憲勢力は草の根レベルでの運動を強化しています。これらを許さず派兵・改憲阻止闘争をたたかっていきましょう。さらに、PAC3配備を許さずたたかおう。今年も8月反戦反核闘争を広島に結集してたたかいましょう。

②第二に、世界恐慌のなかで、世界の労働者とともに、新自由主義に反対し、反戦・反貧困を国際連帯でたたかっていきましょう。

  大不況への突入の中で、労働者に犠牲を転化し危機を乗り切っていこうとする資本家階級の攻勢が始りました。労働者はますます失業や貧困化を強制されようとしています。これに抗するたたかいを、アジア共同行動内外の労働組合のたたかいやさまざまな反貧困運動をみんなで共にたたかいましょう。他方で、労働者民衆の苦しみにつけ込んで、逆に、戦争や排外主義の下に組織しようとする策動も強まります。アジア共同行動は、貧困に抗するたたかいを、反戦、国際連帯と切り離せないたたかいとして推進しましょう。そのために、同じく、世界恐慌のなかで苦悩する労働者と連帯と共闘を強めるために奮闘しよう。反戦反基地闘争と固く結合しよう。反戦・反貧困・国際連帯でたたかおう。不況下で解雇にさらされる外国人労働者との連帯を強めよう。また、今年は、「天皇即位20年」をめぐる天皇賛美や「休日化法案」などが策動されています。教育現場への「日の丸・君が代」攻撃なども続いています。こうした排外主義策動とのたたかいを強めよう。さらに、入管法改悪策動とのたたかい、排外主義を許さず日朝国交正常化を求めるたたかいなどを進めよう。朝鮮民主主義人民共和国の人工衛星のためのロケット発射をめぐる日米両政府の「共和国脅威論」、迎撃準備-戦争策動を許さずたたかおう。同時に、今年は、中学の歴史教科書採択をめぐって、領土拡張と排外主義・歴史修正主義とのたたかいもあります。各地で、推進しよう。

③第三に、フィリピン、韓国、台湾、米国、AWCを共にたたかうアジア太平洋諸国・地域の民衆との国際連帯運動を進めることです。

  日韓FTAの交渉再開など、日韓労働者の共同闘争のためにたたかおう。南北統一を支持しムゴンニを始めとする韓国の反米軍基地闘争に連帯しよう。排外主義を許さず、日朝国交正常化を要求するたたかいを各地で推進しよう。11月韓国労働者大会に連帯派遣を今年も継続しよう。

 フィリピン人民の反アロヨ闘争に連帯し、引き続く政治的虐殺に対する人権擁護のキャンペーンを継続しよう。ミンダナオは事実上の内戦であり、米軍が深く関与しています。タガイタイ5救援運動を引き継ぎ、連帯運動を継続しよう。また、今年も、KMU呼びかけの国際連帯行動(ISA)に派遣団を送り出そう。また、ミグランテジャパンの結成を支援し、在日・滞日フィリピン人との連帯を各地で強めよう。

  オバマ政権下で、反戦運動を進めるアンサーとの連携を強化しよう。

  台湾の仲間との交流連帯を進めよう。

  各国地域の人民に連帯する大使館や領事館への行動などを果敢に組織していこう。

 また、入管法の改悪策動などに反対するたたかいも、すべての在日外国人と連帯したたたかいとして進めましょう。

  6月には、アジア共同行動各地集会を、アジア民衆との連帯運動として今年も開催しよう。ただし、9月のAWC第三回総会や11月岩国闘争に集中し、11月アジア共同行動の各地開催は今年は行いません。

④第四に、AWC国際組織の第三回総会を成功させ、帝国主義とたたかうアジア太平洋地域の国際共同闘争とそのための国際共闘組織を新たに発展させていく一翼を担っていくことです。

  本年は、AWC国際組織の第三回総会が、14年ぶりに開催されます。世界恐慌のなかで、労働者の生活と権利のためにたたかい、反戦・反帝国主義闘争を進めるアジア太平洋の仲間とともに、AWCの今後の基調や方針を討議し確立していこうというものです。AWC国際組織の新たな国際体制を確立し、より強固な国際共同闘争を推進していくためのものです。フィリピン、韓国、台湾、インドネシア、米国、共闘関係にある国際組織としてASA(アジア学生協会)から参加予定です。同じく共闘関係にある国際組織ILPSは、フィリピン代表にかねてもらいます。日本連として、AWC第三回総会の成功のために努力し、アジア太平洋地域の仲間との国際連帯組織を発展させていこう。

  具体的には、2日間の国際会議(於いて、関西)。内容は、各国地域の報告交流、AWC国際基調の討議、国際組織の新たな体制討議、今後の共同行動方針・相互支援連帯方針などを討議します。国際会議の他に、首都圏、関西、東海、山口・九州などで、国際連帯集会やシンポジウムなどの開催を計画したいと思います。全体期間は、7日以内で。国際会議は、関西で開催の予定です。時期は、9月26日27日を候補に調整したいと思います。

 

⑤(年間の全国闘争予定)

4月末~5月上旬  フィリピンISA

5月沖縄闘争  

6月アジア共同行動の各地開催

8月6日 広島反戦反核闘争

8月反戦全国合宿

9月  AWC第三回総会開催   国際連帯集会各地開催

11月  岩国反基地闘争   韓国労働者大会

 

(組織方針)

①第一に、アジア共同行動日本連を、アジア共同行動の各地組織、また、さまざまな領域でたたかいを進める諸団体の全国共闘組織として発展させていこう。本年度のたたかいを通して、全国共同代表、全国幹事、全国事務局など、各地・諸団体・諸運動を代表するアジア共同行動日本連の新たな全国的な体制の強化を準備していこう。

①第二に、ホームページ、AWC情報に加え、日本連全国連絡ニュースの再開など、全国的な連絡体制とアジア共同行動の宣伝活動の強化を実現していこう。

③第三に、本年も、8月夏期反戦合宿を、アジア共同行動を、各地域、各運動で推進する全国活動家の力量を高めていけるような組織的事業として開催していこう。

 

   

 

 

 

 

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