韓国ソウル市で今年1月20日に起きた龍山撤去民殺人鎮圧を弾劾し、その真相究明を李明博政権に求める声明

       

 

 

 

 

韓国ソウル市で今年1月20日に起きた龍山撤去民殺人鎮圧を弾劾し、その真相究明を李明博政権に求める声明

 

今年1月20日に韓国ソウル特別市龍山(ヨンサン)4区域で再開発に反対して建物に立て篭もった住民を警察が撤去させようとして襲撃し、その結果、住民5名と警官1名が死亡するという惨事が起きた。

今回の惨事の原因は韓国政府・警察とソウル市当局の暴力的な鎮圧にある。 

オ・セフン・ソウル市長は現大統領である李明博元ソウル市長が力を入れた再開発政策を引き継ぎ、これを大々的に進めてきているが、その過程で多くの住民が何の生活保障もないまま警察および建設資本に雇われたやくざの暴力的な撤去によって路頭にたたき出されてきた。龍山4区域は「漢江(ハンガン)ルネサンスの3大核心地域」のひとつとして位置づけられ、住居商業複合マンションなどの建設が推進中だ。地域住民は昨年から行政と資本に対して冬季の撤去中断と生計対策というきわめてささやかな、生きるための要求をしてきたが、すべて無視された。そして、話し合いが一つも行われないまま撤去が迫る中で、やむにやまれずビルの屋上で篭城闘争に入ったのだ。

警察約400人とやくざ約200人が前日の19日未明から住民の立て篭もる建物を包囲して突入を数度にわたって試みた。その間、包囲する人数は約3000人にまで膨れ上がり、放水車、そしてテロ対策用の警察特攻隊まで動員された。しかし、救急車や落下者用のマットは一切用意されなかった。20日午前7時ごろ、すさまじい放水に続いて警察官を乗せたコンテナがクレーンによって屋上に近づく中で住民が用意していたシンナーに火がつき、屋上は瞬く間に炎に包まれた。この過程で住民4人が死亡し、多数の負傷者が出た。重傷者のうち1人が死亡し、住民側の死者は5人に達した。

住民が決死の覚悟で篭城していること、そして警察ややくざの暴力に抵抗するために住民が火炎瓶やシンナーを持っていることを警察は事前に知っていた。しかし警察は、負傷者のみならず死者が可能性が極めて高いことを把握していたにもかかわらず、事前の救命措置を一切とらず、テロ鎮圧部隊を投入して、住民を「テロリスト」に見立ててこれを鎮圧する作戦を強行したのだ。むき出しの階級的暴力の発動だ。

李明博政府は真相究明を図るといいながらも、「過激な示威」云々を言いながら住民側を非難している。与党ハンナラ党の国会議員は「都市のテロ」とまで叫んでいる。検察は警察の責任を一切問わず、雇われやくざは取調べの対象からはずした上で、むしろ今回の事態の全責任を住民側に押し付け、全国撤去民連合を弾圧している。保守マスコミは昨年のローソク集会に対してと同じように「背後勢力のたくらみ」キャンペーンをあおりながら警察をかばい、暴力鎮圧を擁護している。抵抗して死んでいった地域住民を二度殺す行為を平然と行っている。許されない。

これに対して民衆勢力は「李明博政権龍山撤去民殺人鎮圧汎国民対策委員会」をすぐさま結成し、毎夜抗議集会を開催している。

私たちは韓国の都市貧民・撤去民と連帯し、韓国民衆とともに、今回の惨事の真相が究明され、責任者が処罰され、住民の暮らしを壊す再開発を中断することを韓国政府に要求する。

 

2009年2月7日

アジア共同行動日本連絡会議

(同日の日本連全国会議で決議)

   

 

 

 

 

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