愛宕山開発をめぐる動きと岩国市民・愛宕山地域住民のたたかい(06年12月~)

     

 

 

 

 

・06年12月ごろより、県が愛宕山開発地の転用の方向を示す。

 

【07年】

・07年1月初め 国が愛宕山開発地への米軍住宅建設方針明示

・1月30日 県が国に開発地の転用について打診 国は「米兵住宅の有力な候補地」と回答。

・1月31日 百合ヶ丘自治会(約230世帯) 米軍住宅転用反対の要望書提出(市、国)

・2月5日 牛野谷地区自治会連合協議会(約1300世帯)米軍住宅転用反対要望(市長あて)

・2月14日 百合ヶ丘団地入口に「米軍住宅建設反対」の横断幕設置

・2月末 県、愛宕山開発中止方針を重ねて強調

・3月2日 県、全国の米軍住宅調査方針。愛宕山地区自治

会連合会(46自治会1万3千人)米軍住宅転用反対を

要望(1日総会にて全会一致決議、市・市議会、県、国)

・3月7日 愛宕山土砂搬出終了

・3月10日 住民投票一ヵ年活かす会が集会 愛宕山米軍住宅反対がメイン

・3月15日、「住民投票の成果を活かす岩国市民の会」愛宕地域の自治会長らと県に申し入れ

・これ以降 市庁舎補助金カット問題で市議会紛糾継続

・4月25日 県が市に対し愛宕山開発中止を初提案

・5月17日 井原氏衆院安保委で参考人として陳述/国、県に対し「マスタープラン」(上記『機能配置図』)提示

・6月8日 県と市が愛宕山開発計画中止合意

・6月9日 「活かす会」結成一周年集会 愛宕山問題などメイン

・8月20日 県・市愛宕山跡地の国への売却方針合意

・9月25日 岩国市愛宕山跡地の転用案を提示/岩国基地司令官オハローハン大佐「米軍住宅基地外に必要」明言

・10月3日 県跡地売却交渉に入る方針確定 08年秋以降に契約締結方針

・10月23日 岩国市愛宕山開発中止で住民説明会開始(県の不参加へ怒り、米軍住宅反対の声相次ぐ)。「広島事件」とあいまって米軍住宅反対意見強力。

・10月28~29 07年岩国国際集会

・11月6日 県・市合同の愛宕山開発中止地元自治会会長対象の説明会 多数押しかけ米軍住宅反対の声しきり

・11月22日 国病愛宕山跡地移転を合意

・12月1日 市庁舎補助金カット抗議 怒りの1万人集会

・12月20日 財務省08年度予算に米軍住宅調査費1億1400万円計上

・12月26日 市議会最終日 予算案通過を主張し井原市長が辞職

 

【08年】

・08年1月2日「岩国爆音訴訟提訴」方針を報道(中国新聞)

・1月11日までに、国は公有水面埋立変更申請を県に提出

・2月3日 岩国市長選告示

・2月7日 公有水面埋立承認取り消し提訴

・2月10日 岩国市長選 1782票の僅差で井原氏惜敗

・2月12日 県知事 埋立変更を承認

・2月13日 「活かす会」福田新市長に公開質問状提出

・2月26日 福田市長「負担緩和に一定の配慮がされており、基本的には協力すべきだ」と事実上の「容認」表明

・2月27日 牛野谷地区自治会協議会(13自治会)福田市長に米軍住宅反対を要請

・3月23日 移転を余儀なくされた愛宕神社の起工式

・4月8日 公有水面埋立承認取り消し訴訟 第一回審理

・4月27日 山口二区衆院補選 平岡候補当選

・5月7日 車第三自治会 愛宕跡地への集団移転を市長に要望

・5月8日 岩国市議会愛宕山開発特別委 跡地「まちづくり区域」の利用計画公表

・5月12日 県・市、都市計画変更(愛宕山開発計画中止)の説明会開始、国への売却反対相次ぐ

・5月13日 国沖合埋立工事の竣功を通知

・5月27日 都市計画変更(愛宕山開発中止など)公聴会、18名の公述人・米軍住宅反対一色

・6月8日 中国新聞アンケート 米軍住宅反対が44、8%(賛成は17%)

・6月23日 愛宕山開発中止で公聴会での意見を縦覧

・7月2日 愛宕山跡地への立ち入りを制限された七曲団地住民が抗議(鍵確保)

・7月9日 「愛宕山を守る会」結成(代表世話人・岡村寛さん/牛野谷上自治会長)

・7月14日 「愛宕山を守る市民連絡協議会」結成(代表岡村さん)

・7月15日 車第三自治会 国に対して愛宕山跡地への集団移転を要望

・8月7日 「愛宕山を守る会」「同市民連絡協議会」80名が岩国市と山口県に「米軍住宅転用に反対する要望書」提出。「1.米軍住宅転用方針の撤回、2.岩国都市計画変更手続きの中止、3.里道などの法定外公共物の現状復帰―などを求めた」

・8月18日 愛宕山米軍住宅化へむけた国の市への

「意向打診」が発覚(中国新聞報道)

・8月19日 山口県都市計画変更案(愛宕山開発中止)

縦覧開始

・8月20日 国(中四防衛局)滑走路沖合移設が二年遅れる

ことを通知(2010年度末まで延期)

・8月21日 「守る会」ら、県と市にあてた要望への回答を公表。「買取への国からの回答なし」「撤回をいう段階ではない」など(県は知事名でなく、総務理事名)

・8月26日 「守る会」「愛宕山開発地の米軍住宅化阻止住民集会」開催 県への意見書提出など方針化

・8月27日 車第三自治会 86世帯の署名を添えて愛宕山集団移転を再要望

・8月29日 防衛省09年度予算概算請求に愛宕山跡地買取費計上せず/沖合移設費は42億追加

・9月2日 「守る会」「同市民連絡協議会」県に対し米軍住宅反対の意見書1601通を提出

・9月5日 大和市で全国基地被害原告団交流集会(~6日)

「全国基地爆音訴訟原告団連絡協議会(仮)」結成確認

・9月9日 「議員有志の会」、「意向打診」文書を公開

・9月19日 福田市長、「愛宕跡地への集団移転、検討する

段階ではない」/基地の苦情件数1400件超

・9月25日 高知県宿毛市商議所、「恒常的離発着訓練施設」誘致可能性検討で岩国商議所と相談

・10月1日 岩国市、国に対する「安心・安全」要望案公表、(1)治安(2)騒音(3)環境(4)国、市との協議制度の構築など五つが柱

・10月4日 「守る会」「市民連絡協議会」岩国市内五万戸チラシ配布活動

・10月14日 岩国市 愛宕山跡地の里道など1,4haについて「用途廃止」し国に売却方針を表明

・10月22日 岩国市都計審 愛宕山開発事業変更支障なしと市に答申

・10月23日 「守る会連絡協議会」岡村代表、「里道・水路の用途廃止、売却は不当」と住民監査請求

・10月27日 岩国市、県に対して「都市計画変更に支障なし」と意見書提出

・10月30日 「守る会」ら県都計審に対して、住民らが集めた資料などを基に、米軍家族住宅化に向けて地ならしが進む状況をまとめた報告書を郵送

・11月10日までに 岩国市監査委 岡村代表の監査請求を却下「違法、不当な事実が存在しないため形式的要件を欠く」と理由付け

・11月13日 県が国に要望した愛宕山買取についてなんら進展なし。借り入れ金返済の算段開始

・11月19日 国が岩国市提出の「安心・安全」要望(43項目)に回答提示。「防犯カメラ」「街頭通報システム」など実現の運びとなるも騒音対策など進展なし。愛宕山米軍住宅化に対しては「米側と確認中で具体化すれば市に説明し、理解を得る努力をする」と表明。

・11月20日 県の政府への要望中、愛宕山地域開発事業の跡地について、防衛省が山口県と市からの買い取り要望に対し、「用途を特定しないままでの購入は困難」と回答していたことが判明。

・11月21日 愛宕山開発跡地買取に対する国からの回答に対し、福田市長が記者会見で「一般論としての見解だと思う」、「国で買い取っていただいた後に地元との調整があろうかと思う」との見解表明。

・11月21日 愛宕山を守る市民連絡協議会、愛宕山開発地の米軍住宅転用に反対する五万人の署名集めや防衛大臣への要請・質問書の提出、「愛宕山に米軍住宅はいらない」というのぼり旗300本を掲げる方針を決定

・11月26日 山口県都市計画審議会。委員から反対意見や質問が相次ぎ異例の結論持ち越しに。住民らの意見書での「賛成」意見3468筆中、5名連記方式の「賛成意見」が2868件あることも判明。開発計画の「変更」(=廃止)を早急に進めたい県当局にとっては大打撃。次回審議会は年明けか。

・11月28日 「岩国爆音訴訟の会」が記者会見。来年にも爆音被害への損害賠償を求める集団訴訟を起こす方針を表明。

・12月1日 岩国市議会全員協議会 43項目の「安心・安全」要望への国の回答に対して質疑。国側従来の説明の繰り返し。米軍住宅用地は愛宕山が有力候補、米側と協議中など。/岩国基地所属機、嘉手納で合同即応訓練参加

・12月3日 愛宕山を守る市民連絡協議会、県都計審に「要望書」送付/米海軍のFA18を総点検、10機に飛行停止(主翼部分の亀裂)

・12月4日 愛宕山を守る市民連絡協議会、防衛相に対して「愛宕山米軍住宅反対」の要望書提出/県都計審、12月24日現地視察、次回審議会1月16日開催へ。

・12月7日 全国の基地騒音訴訟原告団が神奈川県大和市で「全国基地爆音訴訟原告団連絡会議」を結成。「岩国爆音訴訟の会」も参加。

・12月8日 上記「爆音訴訟原告団連絡会議」が、外務、防衛両省に「深夜・早朝の航空機飛行を規制する騒音防止協定の順守や外来機による訓練の抑制、米側が拒んでいる各訴訟での損害賠償金の支払い―などを要請。両省とも従来の説明に終始。/山口県議会で二井知事が愛宕山開発用地の国への買い取りについて、「県と岩国市の強い意向については国の認識も深まったと受け止めている」との見解を表明。

・12月9日 岩国市議会で福田市長、愛宕山跡地の問題で「本年度中に国が買い取りの方向を出す」「その場合最終的な判断を迫られる」など答弁。/カリフォルニアで米海兵隊のFA18が墜落事故。岩国の同型機が30機配備。市民に不安が広がる。「住民投票の成果を活かす岩国市民の会」、抗議と飛行中止などを求めた抗議文を基地に提出。

・12月10日 岩国市議会一般質問で田村順玄市議、愛宕山問題、滑走路沖合移設についての市長の認識問題、基地内電波の市民への被害など総括的に質問。

・12月12日 「愛宕山を守る市民連絡協議会」、「米軍住宅はいりません」の「のぼり旗」200本を跡地周辺住宅に設置。100本を追加方針。

・12月13日 牛野谷地域の子供たち、建造中の愛宕神社拝殿床下に「タイムカプセル」を納める。30年後に開封。

・12月14日 「愛宕山を守る市民連絡協議会」「米軍住宅絶対反対」五万人署名運動をスタート。午後、『意向打診・内部文書』の内容を広く知らせる朗読劇。

・12月16日 公有水面埋立取り消し訴訟第四回審理。事後の裁判進行協議において、向こう三回の審理日程を決定。上記「空のたたかい(爆音訴訟)」と並行して「海のたたかい」が進められることに。

・12月17日 岩国基地あるが故の中国山地、四国山地での低空飛行に対して、島根県、高知県で抗議。

・12月19日 福田市長、基地対策部・課長らと防衛省、外務省に対して「安心・安全」対策の要請。国側「防音工事に前向き」、「『安心・安全』対策についての国・市の定期協議も年明けに開始の方向」など。/来年度予算財務省原案内示。岩国基地強化関連に総額101億円(誘導路工事、厚木部隊移駐に伴う施設設計などには56億円。海自部隊施設の移設費を含めての総額)。米軍住宅建設のための「適地調査費」に2億円。艦載機の恒常的離発着訓練施設の場所選定調査費に3千万円。愛宕山跡地買取予算、民空化予算はつかず。二井関成知事と福田良彦市長は「引き続き真摯に検討してもらえると考えている」と同様のコメント。「愛宕山を守る市民連絡協議会」の岡村寛世話人代表は「国は予算の内容や執行状況を丁寧に説明すべきだ。狙いは愛宕山だろうが、米軍住宅化には強く反対していく」と、たたかう姿勢をあらためて表明。

・12月20日 09年度予算財務省案内示。米軍再編予算には、グァム移転費用346億円を含めて総額855億円が計上。米軍再編にかかる岩国基地強化に対しては102億円。愛宕山用地買い取り費用は計上されず。適地調査費として2億円。(なお、防衛予算の総額は4兆8千億円。思いやり予算は2000億円。数字は概約)

・12月24日 09年1・16県都計審を前に、同審議会委員5名が愛宕山用地視察。これを行なったのは、加藤寿彦(民主・連合の会)、水野純次(共産)、伊藤博(自民)の3県議と、徳田恵子弁護士、村上ひとみ・山口大准教授の計5人。東工区出口では、住民団体メンバー約10人が、のぼりを掲げてアピール。移転された愛宕神社に委員3人を案内し、牛野谷供用会館で面会。住民側は「米軍住宅になれば市民の安心・安全どころではない」「愛宕神社に通じていた里道回復を」「知っていたら、先祖伝来の土地を手放さなかった」「滑走路沖合移設工事で必要な土砂を採掘するというから、協力してきた。だまされた」と訴えた。

・12月25日 福田良彦市長、09年度から3年間の「まちづくり実施計画」を発表。3年間に実施を目指す事業164件を選定した。164件の事業費は3年間で約150円。このうち、空母艦載機の岩国基地移転の見返りに国から支給される再編交付金を充てたり、積み立てた再編交付金を活用するのは12件。再編交付金を活用するのは▽旧岩国市内の9中学校用の給食センター建設と運営基金創設▽防災行政無線の再編▽幼稚園、小中学校の耐震化--など8件で、44億5000万円(再編交付金17億9000万円)。再編交付金を積み立てた基金で既に実施している小学生以下の医療費助成制度など4件と合わせると、3年間の事業費は50億5000万円(再編交付金と基金の合計23億7000万円)。

・12月26日 二井関成知事、米軍岩国基地の滑走路沖合移設に伴う愛宕山地域開発事業跡地(岩国市)の国への買い取り問題で、1月にも東京の関係省庁を訪れ、国の意向を改めて聞く方針を表明。「来年度の予算を編成して予算案を議会に提案する時に方向性をできるだけ説明したいので、国にもう一度しっかりとした見解を確かめたい」と。

・12月27日 米海兵隊岩国基地の戦闘機騒音などで岩国市に寄せられた苦情が2008年は約1700件に上り、記録が残る1977年以来最多となったと市基地対策課。08年1年間に寄せられた苦情の内訳は▽航空機騒音1406件▽工場・市街地の上空飛行293件などで、航空機騒音が8割。

・12月28日 河村建夫内閣官房長官は二十八日、山口市で会見。県や岩国市などが国に求めている米軍岩国基地の民間空港再開について、来年は政府として明確な方向性を出さなければならないとの見解を示した。「私が所管している米軍再編の岩国基地問題について、年明けには明確な方向性を打ち出さなければいけない」と述べた上で、「特に民間空港の再開については政府としてきちんと方向性を出さなければならない。一二年の民間空港再開に向け、来年は方向付けをしなければならないと考えている」と。

 

【09年】

・1月5日 「愛宕山を守る会」「同市民連絡協議会」、山口県都計審委員に対して二度目の要望書。資料を送付。前回都計審での県の説明などに対して詳細に検討し批判を加え、都市計画行政の本来のあるべき姿を示す。

・1月6日 岩国市の愛宕山跡地売却について二井知事と福田・岩国市長が、県庁で会談し、今月下旬、国に対し「一切の条件を付けず買い取るよう」改めて要請することを確認。「(現段階で国から)米軍住宅として買い取りたいということになれば、私は売らない」と二井知事。福田市長は、「米軍住宅ありきでは市民の理解を得られない。仮に国が100%米軍用地として買い取るとなれば、受けるわけにはいかない」と知事と同じ考えとしつつも、「米軍家族住宅がすべていけないとは、いろんな観点から正確な(市民の)意見だと思っていない。地域ととけ込んで国際的な交流を深めていくところもある」と含み。

・1月7日 自民党山口県連は、岩国市の愛宕山地域開発事業の跡地買い取りについて、今月中に政府に要望する方針を明らかにした。県選出の河村建夫官房長官(衆院山口3区)を窓口に「強力に要請する」と。

・1月10日 基地正門前の車第三自治会が愛宕山を守る市民連絡協議会と連携へ。同自治会の高林孝行会長ら役員3人は10日、連絡協の岡村寛代表世話人らと面会し、「米軍住宅化反対」運動への協力で一致した。有志で署名活動やのぼり掲示をする考え。/米軍岩国基地に展開するハリアー攻撃機部隊が交代。海兵第223攻撃中隊がノースカロライナ州チェリーポイント航空基地に帰還し、交代で海兵第211攻撃中隊が、アリゾナ州ユマ航空基地から10日、岩国基地に到着。同中隊(通称・アヴェンジャーズ)は、兵員約160人でAV8Bハリアー攻撃機8機を保有。

・1月14日 県住宅供給公社が岩国市で進めた「愛宕山地域開発事業」の跡地問題で、市民団体「憲法を活(い)かす市民の会・やまぐち」「被爆二世の会」「アジア共同行動-九州・山口実行委」などが県内外の114団体の連名で都市計画変更を審議している県都市計画審議会に慎重な審議を求める要請書を提出。文書では、二井関成知事が国に跡地買い取りを求める際、米軍住宅用地として拒否する条件は付けないと言及したことに触れ、「知事は米軍住宅用地への転用の可能性をにおわせている」と指摘。「(転用が認められれば)国家による軍用地取得に大きな道を開くことになりかねない」として、地域住民の意見を尊重した審議を求めている。(最終的に共同要請団体は129団体)。

・1月16日  県都市計画審議会(17人)が県庁で開かれ、岩国市の米海兵隊岩国基地の滑走路沖合移設に伴う「愛宕山宅地造成事業」の廃止を盛り込んだ都市計画変更案を再審議し、賛成多数で可決した(賛成十一、反対・留保五)。米軍住宅建設に反対する岩国市の住民団体「愛宕山を守る会」(岡村寛世話人代表)のメンバーら約60人は県都市計画審議会を傍聴し、変更案の可決に不満の声を上げた。審議会終了後、県庁前に「愛宕山に米軍はいらない」「米軍住宅絶対反対」などと書かれた横断幕やボードを持ち寄って集会。「愛宕山を守る会」の岡村寛・世話人代表(65)は「五人が反対したことは全会一致と比べ重いものがある。今後も愛宕山に米軍住宅をつくらせないよう主張を続けていく」と表明。傍聴した同市平田の藤川俊雄さん(61)は「住民の安心安全が左右される問題が、反対意見があるにもかかわらず決められるのはおかしい」と憤りをあらわに。田村順玄市議は、事業主体の県住宅供給公社の申請に応じて国土交通省中国地方整備局が事業認可を取り消した場合、同整備局を相手に取り消し無効を求める訴訟を検討する考えを示す。

・1月17日 「岩国基地の拡張・強化に反対する広島県西部住民の会」が17日、同県廿日市市で、結成3周年の記念シンポジウム開催。「住民投票の成果を活(い)かす岩国市民の会」の大川清代表と、厚木基地第4次爆音訴訟原告団の藤田栄治団長らが、米軍再編をめぐる各地の現状と今後の連帯について話し合った。

・1月20日 米海軍厚木基地(綾瀬市、大和市)で20日、米海軍と報道陣の懇談会。米軍側からは同基地の厚木航空施設司令官、エリック・ガードナー大佐や原子力空母「ジョージ・ワシントン」(GW)の艦載機部隊である第5空母航空団の司令官、マイク・ホワイト大佐らが出席。艦載機部隊の岩国基地移駐問題などが取り上げられた。日米間で協議が続いている艦載機の恒久的訓練施設について、ガードナー大佐は「今夏にも候補地名が上げられるのではないか」と語る。また岩国基地移駐の準備について同大佐は「任務は順調に進んでいる。日本政府も日米協議の防衛政策を見直す予算を相当程度組んでいる」と述べ、今後は自衛隊との共同訓練などで「さらに相互協力は加速する」などと発言。

・1月21日 米軍岩国基地報道部は、海兵第224全天候戦闘攻撃中隊が部隊交代計画に基づき、同基地に到着したと発表。同中隊は兵員約200人、FA18Dホーネット戦闘攻撃機約10機で構成。サウスカロライナ州ビューフォート基地から18日に岩国基地に到着していた。

・1月23日 県議会の吉敷晶彦(民主・連合の会)、久米慶典(共産)の両県議が国土交通省中国地方整備局(広島市)を訪ね、県住宅供給公社が申請した宅地化中止に伴う愛宕山新住宅市街地開発事業の認可取り消しを認めないよう求める要請書を提出。

・1月24日 岩国市の市民団体「岩国を守る会 風」(岡田久男代表)が同市麻里布町の繁華街で愛宕山地域開発跡地の米軍住宅化に反対する街頭署名活動。同会が加入している愛宕山を守る市民連絡協議会(岡村寛・世話人代表)が昨年十二月から実施している「愛宕山に米軍住宅はいらない」五万人署名集めの一環。政治グループ「草の根ネットワーク岩国」代表の井原勝介・前岩国市長も応援に駆けつけ、市民に協力を呼び掛けた。

・1月26日 二井関成知事と福田良彦岩国市長は二十六日、愛宕山開発用地の国への買い取るよう、関係府省を訪れて浜田靖一防衛大臣らに再度要請。防衛省は購入自体には前向きな姿勢を見せつつも、二井関成知事が求めた「無条件の買い上げ」には難色。記者団の取材に応じた知事は「買い取るということを言われたのは初めてではないか」と成果を強調した。ただ、具体的なめどは依然立たないことは認めた上で、今後も無条件の買い上げを防衛省に要望するか否かを問われると、「私としてどこまで認めることができるか。これからの交渉次第」と含み。浜田防衛相は「買い取りたい。条件などについては県や市の立場にも配慮し、よく相談して対応していきたい」と述べたという。この発言の趣旨について同省は、「買い取りを前向きに検討するが、(どうするかは)引き続き真摯(しん・し)に検討する」ということだと説明。また、二井知事らは米軍岩国基地の軍民共用化(民間空港再開)に関連して全日空本社を訪れ、山元峯生社長に再開時の就航を要望。

/河村官房長官。民間空港再開に関して「最終的な詰めの段階に来ているんだと思う。国土交通省側はできるところまできているようなので、後は防衛省の受け止め方次第。近いうちに決定したい」と記者会見で述べる。

・1月27日 米海軍厚木基地に隣接する神奈川県相模原市議会の基地対策特別委員13人らが26、27の両日、米軍再編に伴い同基地からの空母艦載機移転が想定される米海兵隊岩国基地などを視察。

・1月28日 麻生太郎首相。施政方針演説で、在日米軍再編について「沖縄など地元の声に耳を傾け、地域の振興に全力を挙げて取り組みながら、引き続き着実に進める」と表明。

・1月31日 国市議会の高田和博議長ら保守系5会派(18人)の市議12人が1月31日、市内で防衛政務官の岸信夫参院議員(山口選挙区)に要望書。(1)愛宕山地域開発事業跡地について地元の立場を尊重して早期に買い取る(2)岩国基地の軍民共用化による民間空港の早期再開の実現(3)空母艦載機の岩国基地移転に伴い、厚木基地に転出する予定の海上自衛隊航空部隊については岩国基地へ残留させる--の3点が要望の内容。

・2月3日 米空母艦載機の岩国基地移転に伴う騒音や治安対策を国、県と岩国市が話し合う「岩国基地に関する協議会」が初会合。(1)非常用赤色灯や防犯カメラを備え、緊急時に警察署などに通報や映像の伝送ができる「スーパー防犯灯」を、市が特定防衛施設周辺整備調整交付金を活用し、基地周辺の川下地区に設置する(2)国が08年度2次補正を含めて08年度約20億円、09年度約12億円を予算計上した基地周辺の住宅防音工事を早期に実施するため、工事をまだしていない世帯を中心に制度の周知や意向を確認する(3)市内7カ所に設置している自動騒音測定装置を、さらに同市青木町、装束町の2カ所に08年度内に設置する(4)市は4月1日から基地関係の苦情を受け付ける専用電話を設置する--の4項目に合意。福田市長は「早期の対応を示してくれた」と国側を評価。「国と安心、安全対策について具体的に協議できる環境が整った。自動騒音測定装置はもう1カ所の増設を要望している。滑走路使用時間の短縮や住宅防音対象地域の拡大など制度的、中長期的な問題を要望していくとともに、継続的に協議していきたい」と。

・2月4日 米軍岩国基地で、テロ攻撃を想定した陸上自衛隊と米軍による今年度の日米共同警護出動訓練が始まる。訓練は六日まで二十四時間体制で実施。岩国基地での陸自の警護訓練は六回目、米軍との共同訓練は五回目。

・2月5日 福田市長、就任1年の記者会見。特筆すべき成果として、就任直後に国が凍結解除した市役所新庁舎建設補助金約三十五億円を挙げる。また、再編交付金を活用し学校耐震化二十年計画を八年に短縮したことや子供医療費無料化、AED(自動体外式除細動器)設置など「市民の安心安全について実施できたことは皆さん方から評価を得た」と。愛宕山問題に関しては「買い取りを国に要望し、防衛大臣から『買い取りたい』と明言を得た。買い取り後は地元の意向を尊重してもらえると確信している」だが一方で「国から買い取り価格や利用方法について示されておらず、現時点では、愛宕山が100%米軍住宅という買い方では地元の納得は得られない。それでは買い取りは認められない」との姿勢。

・2月6日 山口県、県の都市計画を変更し、赤字を理由に中止した岩国市の愛宕山地域開発事業を廃止。中国地方整備局も同日、新住宅市街地開発事業としての国の認可を取り消し、事業廃止の法的手続きは完了。ニュータウン整備を進める新住事業の廃止は全国初。

・2月10日 「愛宕山を守る会」と「愛宕山を守る市民連絡協議会」、福田良彦市長に「跡地の米軍住宅への転用は絶対させないという文書での回答を求める」とする要請書を提出。メンバー33人が訪れ、うち12人が福田市長と面談。▽1月に福田市長が発言した「国が跡地を米軍住宅とするなら売却しない」という点を文書で約束する▽跡地の有効利用について地元住民の声を尊重し協議の場をつくる▽跡地売却の条件など国との交渉を情報公開し、市民の意見を反映させる--などを要望。岡村世話人代表らは「愛宕山に星条旗と鉄条網は似合わない。子供たちに負の遺産を残してはいけない」「防衛省が買って、勝手に米軍住宅とする時には待ったをかけてほしい」などと訴えた。

・2月16日 政府は、米軍岩国基地について、日米合意に基づき二〇一二年度をめどに民間空港として再開すると発表。政府は03年、地方空港の建設を抑制する計画を閣議決定しているが、在日米軍再編に伴う空母艦載機部隊の岩国基地移転推進には「国が民間航空施設整備を確実に実施する必要がある」として、見返りの意味を含め例外的措置とした。空港本体の施設整備は国土交通省、米軍との調整は防衛省がそれぞれ担当。山口県と岩国市は、総事業費を約110億円と試算。そのうち約80億円の負担を国に求めている。河村長官は「地元の要望を受け入れながら進めていく」と述べ、国がある程度を負担することを表明。福田良彦市長、「空港を利活用し、市経済や県東部の発展につなげたい。再開は在日米軍再編との取引ではない」としている。愛宕山を守る市民連絡協議会の岡村寛・世話人代表は「米軍再編と絡む規定路線がここまできたと感じている」とした上で、「今後、国が米軍住宅の代償として米軍住宅化を進めてくることに危機感をもっているが、(民空再開は)愛宕山に米軍住宅を建設することとは直接関係がないというのがわれわれの立場だ。絶対にバーター取り引きの材料に使われないよう関心を持っていきたい」と警戒。

・2月17日 中曽根弘文外相とクリントン米国務長官は十七日午後、在日米軍再編の実施を再確認し、日本側の資金拠出などを約束する「在沖米海兵隊のグアム移転に関する協定」に正式に署名。協定は米軍再編の合意内容を再確認する前文と、日本側の資金拠出(直接的に財政支出する二十八億ドル)や米側による資金の適正使用、事業に参加する者の公平な取り扱いなどを個別に定めた十一の条文で構成。海兵隊グアム移転の条件を定めた第九条では、(1)普天間代替施設の完成に向けて具体的な進展があること(2)日本の資金面での貢献があること―などを明記。普天間移設を進展させる必要性を強調。/山口県、宅地開発を中止した愛宕山地域開発事業の借入金のうち、本年度から2010年度にかけて返済期限を迎える206億円について、県住宅供給公社は3月末に全額を新たに借り入れ、一括返済すると発表。金利が現在より低くなるため、利息負担は約1億円減るという。

・2月19日 「愛宕山を守る市民連絡協議会」(岡村寛代表)、4月12日に予定する市民集会について、岩国市の愛宕山地域開発事業跡地での開催を求め、跡地を管理する県住宅供給公社側と県庁で面会。協議会からの口頭の要請に対し、福富薫・同公社局長は「安全管理上問題がある」として認めず。/岩国市、09年度当初予算案を発表。岩国基地への空母艦載機移転の見返りに、国が支給する再編交付金を、小学生の医療費無料化や早期の学校耐震化など子育てや教育に充てる福田カラーが鮮明に。

・2月20日 「愛宕山を守る市民連絡協議会」が市内で世話人会。国や県、市に提出予定の反対署名が約4万3000人分に上ったことを確認。また、跡地に隣接する牛野谷町の公園で4月12日午後、初の市民集会を開くことを決めた。愛宕神社の例大祭に合わせて実施。市議らの協力を得て、数千人の参加を目指す。/河村建夫官房長官、岩国市の愛宕山地域開発事業の跡地買い取りの要望に訪れた市議団に「時期は決まっていないが、買い取る」と述べた。市議団の7人が首相官邸を訪問。代表の桑原敏幸市議によると、河村長官は買い取りを明言した上で、時期や用途を調整する考えを示した、と。

・2月22日 「住民投票の成果を活かす岩国市民の会」が集会。2006年にアメリカ兵に妻を殺害され現在、そのアメリカ兵と国に対して損害賠償訴訟を起こしている横須賀市の山崎正則さんが講演。

・2月23日 岩国市の愛宕山宅地造成事業跡地について、県と市が国に買い取りを求めている問題で、同市議会の有志が、防衛省などに早期買い取りなどを要請したことを福田良彦市長に報告。有志は18議員。所属会派の代表ら7議員が20日に上京し、防衛省の北村誠吾副大臣や河村官房長官らと会談。北村副大臣は会談で、09年度補正か10年度当初に盛り込む可能性に言及したという。

・2月25日 米軍機の爆音被害に苦しむ基地周辺住民で組織する「岩国爆音訴訟の会」(津田利明代表)、「岩国爆音訴訟原告団結成総会を三月七日に開催し、早期の提訴を目指す」と発表。現時点の原告予定者は約四百五十人(約二百世帯)で、初の爆音訴訟としては厚木第一次訴訟の九十二人を大きく上回る。昨年十月に結成された「岩国爆音訴訟の会」は、米空母艦載機の岩国基地移駐に反対する市民らを中心とする岩国基地爆音訴訟準備会が約一年がかりで準備を進め、約五十人が参加した。津田代表は「原告団の人数は当初の予想を上回る見込みとなった。米空母艦載機岩国移駐に対する抗議の意思が反映された形だ」と分析。岩国爆音訴訟原告団の結成総会は、三月七日午前十時から岩国市民会館小ホールで開催。同訴訟の会の規約に原告団結成を盛り込み、裁判を提起するために必要な諸決議をするため、「総会は具体的に裁判を提起するための新たな第一歩」と位置づけている。裁判を支援する「岩国爆音訴訟を支援する会」もこの日に結成する。

・2月26日 岩国市議会三月定例会開始。福田良彦市長、施政方針で在日米軍再編について「その円滑かつ着実な実施の必要性を理解し、基本的には協力すべきもの」と従来通りの認識を示し、「市民の安心安全を確保するため最大限の努力をする」と述べた。「基本的には協力すべきとは、市民は艦載機移駐容認だと受け止めているがそれでよろしいか」との問いには「容認か否かの議論では、これまでもたびたび考えを示しているが、さまざまな国との協議の中でこの度、基地に起因する問題を国と定期的に協議をする場を設置した。その協議で市民の不安を一つ一つ払拭し、その先に大きな判断を市民と一緒にする時が来ると思っている。現時点ではそういったことはない」と、あらためて艦載機移駐を『容認していない』との姿勢を示す。

・2月27日 新嘉手納爆音訴訟の控訴審判決で、福岡高裁那覇支部(河邉義典裁判長)は、騒音の受忍限度をうるささ指数(W値)七五と判断。原告五千五百十九人を対象に、国に航空機騒音訴訟では過去最高額の総額約五十六億二千七百万円の支払いを命じた。差し止め請求は棄却した。W値七五地域のうち読谷村座喜味以北の二十一人については、賠償請求を退けた。判決を受け、「岩国爆音訴訟の会」の津田利明代表らが岩国市内で記者会見。津田代表は「これからの取り組みに弾みがつく」と評価。「各地の爆音訴訟ではW値75以上の賠償が認定されたが、新嘉手納訴訟1審判決は85以上とした。岩国の原告に加わる住民にも75と80の区域の人がおり、注目していた。こうした区域の住民の被害実態が認められる意義は大きい」。一方、夜間飛行差し止め請求が棄却された点について「違法状態を認めながら、一番の解消手段である飛行差し止めの判断が司法から出てこないのには違和感がある。岩国の裁判では、飛行差し止めの判例が出るように望んでいる」と語る。

・2月28日 岩国市と山口県が廃止した愛宕山地域開発事業に伴い、移転新築された同市牛野谷町の愛宕神社で仮社殿から約150メートル離れた同神社に御神体を運び入れる御霊(みたま)移し。

・3月3日 高知県本山町など県北部で確認された米軍機による低空飛行訓練が今年に入り増加しており、2カ月間で37回と昨年1年間の飛行回数を上回ったことが分かった。尾崎正直知事はが日の県議会一般質問で「住民の不安や恐怖を思うと、非常に残念で、大変遺憾だ」と表明。

・3月4日 「愛宕山を守る市民連絡協議会」などが08年12月から続けている米軍家族住宅建設反対の署名が、2月末までに約6万6500人に達したと岡村寛世話人代表が4日、明らかに。2月末時点での内訳は▽岩国市内約4万3200人▽同市を除く県内約7500人で、これ以外に北海道から沖縄県まで全国から約1万5800人の署名が寄せられている。岡村世話人代表は「岩国市内だけで5万人に近づける努力を続けたい。全国の基地を抱えている地域などからも署名が届き、我々の活動が成果を上げていることを実感した」「われわれの運動を支持してくれる方がたくさんおられ、思いのほか多くの署名が集まった。県外分は、北は北海道から南は沖縄まで、米軍基地や自衛隊基地を抱える地域の方から続々と署名が寄せられている」と談話。

・3月6日 福田良彦市長、市が国に要望する在日米軍再編に係る振興策について「市議会三月定例会終了後、国に提出する」と明らかに。「再編に係る地域振興策の取りまとめに当たっては、特に協議会やプロジェクトチームの設置はしないが、これまでの市議会における議論を踏まえ、地域住民の要望などに配慮して市の重要課題を整理し作成している」とし、要望内容は【1】幹線道路網の整備【2】川下地区の都市基盤の整備【3】中心市街地の活性化対策【4】愛宕山地域開発に関連する公共施設の整備【5】産業振興等に関する施策の実施―の五つの大きな項目に分類し近々の課題について取りまとめ中とした。

・3月7日 国を相手取り、騒音被害の損害賠償と夜間の飛行差し止めなどを求めて民事訴訟を起こす「岩国爆音訴訟原告団」(津田利明団長、原告予定者四百七十七人)が結成総会。約150人が市民会館小ホールを埋めた。「岩国爆音訴訟の会」(津田利明代表)と、岩国基地を離発着する航空機の爆音被害者(うるささ指数七五W以上の地域)で原告への参加を希望する人で原告団を構成。原告の資格を有しない者で、原告団と連帯して活動する支援する会を設ける―との規約を承認。原告団と支援する会を発足させた。原告団長に同訴訟の会の津田代表、支援する会代表には田村順玄・岩国市議を選んだ。広島、山口の両弁護士会11人で構成する弁護団の団長には吉川五男弁護士が就任。準備に奔走した田村順玄市議が「戦後63年間、岩国で爆音訴訟はなかった。やっと国を相手に環境基準を侵している現状をあらためさせる訴えができる」と発言。原告団長に選ばれた津田利明さんは「騒音軽減のための基地滑走路沖合移設が艦載機移転の受け皿となり、国は堂々と法を無視している」とし「大きな目的は艦載機移転反対。国は、基地滑走路沖合移設で騒音被害は軽減するから移転するというが、環境基準を超える違法状態は続く。許してはならない」と、国の責任を徹底追及する構え。副団長5人も登壇してあいさつ。基地そばに住む神村登美子さんは「みんな我慢してきたが、(艦載機移転で)今の倍の飛行機が爆音をまき散らすと聞いた。静かな日常を保障してほしい」と発言。津田原告団長はと訴えた。請求内容は【1】夜間の離発着や昼間の六〇デシベルを超える騒音の差し止め【2】市街地上空の旋回・急上昇の差し止め【3】艦載機などの移駐の差し止め【4】騒音被害の過去三年分の損害賠償請求(一人当たり八十七万円)-など。弁護士費用を含む過去3年間の損害賠償請求額は約4億1500万円。

・3月9日 市議会一般質問で田村順玄市議、「岩国でも爆音に苦しむ住民が立ち上がり岩国爆音訴訟原告団を結成した。これはこのまま黙っていては艦載機の移転などで、基地沖合移設で爆音が軽減されるとの政府のうそとごまかしの構図が通用しなくなったことを証明する新たな動きだ。今回の岩国爆音訴訟を積極的に支援する考えはないか」と質問。福田市長「見解を述べる立場にない」としたうえで、「市としては、これまで国の安全保障政策を尊重し、米軍基地の安定的な運用に協力する一方、住民が被っている過重な負担について理解し、基地に起因する諸問題の解決に向け、最大限の努力を行っている」と答弁。同市議の「愛宕山開発跡地活用」について、転用策が具体化するまでの臨時的な活用について、公共目的であれば利用の可能性があるとの認識。/岩国医療センターが市に移転用地として愛宕山地域開発事業用地の『周辺環境対策に配慮したまちづくり』の区域の東側部分の七ヘクタールを要求。移転時期は二〇一二年度が目標。基本方針として専門的な医療、臨床研究、教育研修・情報発信の機能を備えた地域に密着した医療機関とし、急性期医療を担う総合診療施設として運営する計画。

・3月10日 「愛宕山を守る市民連絡協議会」(岡村寛・世話人代表)が防衛大臣、山口県知事、岩国市長に提出するため署名活動を繰り広げた「愛宕山に米軍住宅はいらない!市民請願署名」が、十日夜の集計で八万六千二百九人分になった。未集計分が約一万二千人分あり、最終的には目標の五万人分の約二倍の九万八千人分に達する見込み。内訳は、岩国市内が四万九千五百七十八人分、市内以外の県内が一万四千百二人分、県外が二万二千五百二十九人分。署名は市と県に報告した後、今月中に防衛省に提出する予定。「これだけの数が集まり、言葉にならないくらい感動している。率先して署名していただいた岩国市民には、本当に感謝している」と岡村世話人代表。

・3月11日 岩国市、愛宕山地域開発事業跡地内にある里道など法定外公共物約1万3500平方メートルについて「里道などの機能が不要になった」として用途廃止したことを明らかに。跡地への米軍家族住宅建設に反対する周辺住民らは「跡地内の里道を開発前の状態に復元すべき」と機能回復を求めていた。/福田良彦市長の擁立母体「岩国の明るい未来を創(つく)る会」(原田俊一会長)が市内で会見。防衛省に対して跡地の早期買い取りと、米軍、住民共用のスポーツ施設、国際教育や文化交流施設、防災避難施設などの建設を求める署名活動を始めたことを明らかに。「米軍への提供施設でも市民が使える形で整備してほしい」と施設が米軍管理下でもやむを得ないとする一方、米軍家族住宅建設の是非については「我々の関知するところでない」と。正真正銘の米軍施設誘致運動。

・3月14日 「岩国の明るい未来を創(つく)る会」、防衛省に愛宕山地域開発事業跡地の早期買い取りと、米海兵隊岩国基地内の運動施設などの移転・新設を求める街頭署名を開始。岩国基地への空母艦載機移転を前提に、同省による跡地の早期の買い取りを要望。買い取り後、跡地に米軍への提供施設を建設する場合、米軍と住民が共用できるスポーツ施設、教育・文化交流施設や防災避難施設、先端医療施設などを整備するように求めている。米軍家族住宅建設の是非については触れない方針。「あたご山を日米親善・国際交流ゾーンに」などと書かれた立て看板を並べ、原田会長は「市民が望む跡地活用方法を国に要望する」と説明。

・3月17日 海上自衛隊第31航空群司令部、岩国市に対し「岩国基地の滑走路を18~20日の3日間(運用時間外の)午前4時45分から使用する」と通報。時間外で任務飛行を計画しているのは、電子戦データ収集機EP3(2機)と画像データ収集機OP3C(2機)。同室は「任務の内容は明らかにできない」と。

 

   

 

 

 

 

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