声明:知事のノー・ユニオン、ノー・ストライキ政策がジェラルド・クリストバルを殺した

       

 

 

 

 

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2008年3月12日
声明:知事のノー・ユニオン、ノー・ストライキ政策がジェラルド・クリストバルを殺した
マーリーン・ゴンザレス(カビテ労働者連帯・スポークスパーソン)

労働者活動家ジェラルド・クリストバルを待ち伏せし殺害した犯人の名前を、彼を失った家族や労働運動の仲間たちは永遠に知ることができないだろう。だが真の意味での犯人を私たちは知っている。

 イレネオ・マリクシ知事の悪名高いノー・ユニオン、ノーストライキ政策という不文律がクリストバルを殺したのだ。この反労働者政策は、知事が自らが目指す産業和平プログラムに対する脅威としてみなす闘う先進的な労働組合とそのリーダーたちに対して執行されている。
 ノー・ユニオン、ノー・ストライキ政策は、政府が「左派」とのレッテルを貼るすべての労働組合、労働運動のリーダー、活動家らに対して適用されており、フィリピン国家警察やその他の政府の治安機関も含む武装グループが、これら闘う労働運動に対して攻撃を仕掛けている。

 昨年来、労働運動活動家たちはマリクシ知事と彼が直接に指示を出しているカビテ産業和平諮問グループ(CIPAG)の武装集団の動向を監視してきた。これらの集団は、労働者を労働組合に参加させないように、あるいは労働組合を結成させないように企業に申し入れ、労働組合リーダーたちに命じているからである。その一例としてカビテ州ダスマリニャスにある第一カビテ工業団地のフィリピン・ゴールデン・ウィル・ファッション社の労働者の事例をあげることができる。

 労働者のストライキや労使紛争が起こると、カビテ産業和平諮問グループに所属するマリクシの配下の男たちがフィリピン国家警察やフィリピン経済区庁(PEZA)の警察部隊と結託し、ストライキ破りや弾圧を行っている。こうした弾圧にも屈しないものは、自宅まで追跡されて、危害を加えると脅される。

 彼の仲間であった労働組合活動家ヘスス・ブッチ・セルビダがそうであったように、クリストバルもまたマリクシのノー・ユニオン、ノー・ストライキ政策に対して積極的に反対の声をあげていた。セルビダも2006年12月11日、会社の正門前で襲撃を受け、殺されている。両名ともデモや集会に参加するたびに知事とその政策を徹底的に批判していた。

 カビテ州警察フィデル・ポサダ本部長とイムス町警察署長ウリセス・クルスがあまりにも早くデイリー・インクワイヤラー紙に対して、事件は交通トラブルによるものであり、暗殺ではないと発表したことは、あまりに不審なものであり、犯罪を闇に葬ろうとするものではないかと考えざるをえない。それはクリストバルの無残な暗殺から政治色を消し去ろうとするものである。

 カビテ労働者連帯(SCW)はこの事件にマリクシ知事自身ではないとしても、彼に関係する人間がかかわっていると確信している。またカビテ州の警察関係者がクリストバルの殺害について直接的な情報をも持っていることも確かだろう。この疑念を晴らすには、実行犯と首謀者を逮捕する以外には道はない。

 一方、ヤザキ労働組合の100名の労働者たちは今朝、州議会前で怒りの集会を開いたが、警察と消防車によって解散させられた。けが人はなかった。

 抗議する労働者たちは「アヨン・マリクシ知事よ、誰がジェリー・クリストバルを殺したのだ?」と書かれたプラカードを掲げ、知事に対しクリストバル、ヘスス・ブッチ・セルビダ、クリス・アバッドへの正義を求めた。この三人はみなヤザキの労働組合役員であり、何者かによって殺害されるという同じ運命をたどっている。

 

 

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